先週の話。
ここブラジルで生活して早5ヶ月が過ぎたというのに
まったくもってポルトガル語の力がつかん。
特にヒアリング力なんぞ最低で、
何を言ってるんだかよくわからん。
なんとかせにゃならんと通い始めたのがKUMON。
青いKUMONバッグを小学生のように肩から斜めに下げ
週に2回通うのだ。
うーむ。効果はまだない。
母国語がポルトガル語の人間に対するポルトガル語の教科書なので
質問もよくわからんことがある…。
日本で外国人がいきなり国語の授業を受けるようなもん。
それでも続けてれば何か少しは変わるかなと信じて毎週続けておる。
そのKUMON。先月までは住居から歩いて5分のところにあった。
ところが突然引っ越すことになったのだ。
先月の授業のとき
シンティア先生から紙を渡された。
新しい住所がポルトガル語で書いてあり、引っ越しに伴う休みの日程が
記されていた。地図がないのでわしゃ全然わからず、
「新しい場所はどこじゃい?」と聞いたのだが
「この道を少し下ったところだよ。」と答えるのみで皆目見当もつかん。
数日後、一人で新しいKUMONを探しに行った。
住所も持たず、野生の勘のみで歩きまわった。
結果わからず…。残念!
授業再開の日、今度は住所の紙を持ってちょっと早めに家を出た。
結論を先に言ってしまうと新しい住所はそんなに遠くなかった。
坂を下って下って下って左に曲がってすぐ。歩いて15分程度かな。
でも、この授業再開の日は酷かったのだ。
坂を下って2つ目の交差点で道を尋ねてみると
新聞売りの男が自信たっぷりに
「ああ。わかる。わかる。この道を左に曲がって4ブロック行ったら左だよ。」
と教えてくれた。はっきり言ってこの説明は×。まるで違う方向なのだ。
でも素直にわしはその方向に4ブロック進んだ。KUMONのロゴを探しつつ。
まるでなしお。
5ブロック進んだところに軍警察の警官が二人いた。
「ここに行きたいんだけど」
「OK。ここをまっすぐ行って右に曲がるといいよ。」
この説明は△。方角的には○かな。
今度は、新聞売りが教えてくれたのと真逆の方向に進む。
数ブロック行くが住宅街なのでわけがわからん。
犬を2匹連れたご婦人に尋ねてみた。
「ここに行きたいんだけど」
「ああ。この道を戻って右に曲がるといいよ。」
うう。さっきの警察官とは逆の方向だ。地元民に従うか…。
がびーん。行き止まり。
突き当りのマンションから紙袋をかかえた別のご婦人が現れた。
「すんませーん。ここに行きたいんですけど。」
「ああ。これなら逆の方向ね。ここをまっすぐ行って…。」
逆の逆の逆の逆の方向か…。
もうこうなってくると
どこが逆の方向なのかよくわからなくなってくる。
すんません。もう限界ッス。
日射しはキツイし、足は痛いし、プチパニック状態になりながら
とぼとぼ歩いていたら、
「せんせい。どうしたの?」と車の中から日本語で話しかけられた。
おおお、日本語を習いにきているアランキヨシさんじゃないか。
親切なアランさんは住所を頼りにKUMONを探し当ててくれたよ。
汗だくで1時間以上。
なかなかヘヴィだったぞ。
職場に戻ってサンパウロ出身のチエミさんにその話をした。
「こっちの人はね、すごーく親切なのよ。
道を聞かれて知らなくても、知ってるってついつい言っちゃうのよねえ。」
言っちゃうのよねえじゃないわよー。
確かにみんな自信たっぷりだったわな。
悪気はないとはいえ、こりゃあこれから注意せにゃならん。
ちゅうかまったく親切じゃないじゃーん。
横浜研修のときに授業で先生が言ってたっけ。
『ブラジルの人は、結構適当に道を教えてくれるから
3人以上に聞いて一番多い意見を取り入れるべし。』
いや、まったくそのとおりだ…。