三日目。水曜日の朝。
5時に起きちゃった。
朝焼けがきれいだったぞう。
さあ、今日からの授業は内容が大事ダゾ。
先日のマナウスでのバザー第2弾をパリンチンスでもやりたいなあという思い。
それを生徒たちにうまい具合に伝えにゃならん。
それではポルトガル語で格闘した1時間半の授業内容を説明しよう。
①あいさつ。「フォルサジャポン」のTシャツを見せびらかす。
Tシャツのデザインは日本の旗とアマゾナス州の旗がひとつになったもの。
そして、新出語彙を5つ。
シャツ。Tシャツ。かっこいい。きれい。はた。
②「わたしは日本人です。日本についてよく知ってます。
みなさんはブラジル人です。ブラジルについてよく知っています。
そして、わたしたちは同じ星の上にいます。地球のことを知っていますね?
では、グループになって世界地図を作って見てください。時間は5分。
みんなで協力して国の名前や都市の名前を入れてください。
ひらがなでもカタカナでもポルトガル語でもいいですよー。」
③ホワイトボードに見本の世界地図を描く。(わしの得意技!)
④カタカナを覚えたばかりの生徒たちに次の山脈を読ませる。
ロッキー。アンデス。ヒマラヤ。アルプス。
⑤環太平洋造山帯を囲んで、日本は火山が多いことを伝える。
質問:火山が多いといいこととわるいことがあります。なんでしょう。
こたえ:温泉があること。そして地震が多いこと。
⑥日本の温泉についての説明。(写真カードを使って)
お風呂に入るときのマナーについて解説。健康にいいことも説明。
雪の中にある北海道の温泉の写真や猿が温泉に入っている写真も見せる。
⑦温泉もあるわたしの街(浜松市)の説明。
川も山も海も湖もある街。
かわ・やま・うみ・みずうみという語彙を入れる。
⑧数字の練習。読めますか?
1498年9月20日 1707年10月28日
最初の日付は浜松で大きな地震があった日。
湖が崩れて海とつながっちゃった日。
二つ目も大きな地震があった日。さらに海とのつなぎ目が広がった。
そのため、この湖では海の魚と普通の水の魚と両方食べられると説明。
⑨この日付は読めますか?何の日でしょう。
2011年3月11日。写真カードを見せる。
(津波に街が飲み込まれるところとおばあさんが避難している写真。2枚のみ)
近頃はブラジルのテレビでもほとんど取り上げられないけれど
地震のことを忘れてはいけないということを伝える。
⑩陸前高田にボランティアで行った看護婦さんの日記の一部分
「赤い旗」をポルトガル語に訳したものをプロジェクターで映し、生徒たちに読んでもらう。
http://blog.goo.ne.jp/flower-wing/m/201103
⑪現在の日本の状況を説明。
鉄道はまだまだ不通であること。
日本でも有数の漁業基地である東北の海が
瓦礫などで覆われ海藻や貝などが瀕死の状態にあること。
海底が10メートルも削られ、土地も76センチメートル下がったことによって
満潮時には水位がひざまで上がり、学校に通えない子供たちもいること…
⑫パリンチンスのバザー開催にあたって意思を伝える。
「まだまだ解決していないことがいっぱいある。
今、何がここでできるか考え、マナウスで日本人学校の生徒たちとバザーを行った。
ここパリンチンスでもバザーを行いたい。
みんなの負担にならないようにパリンチンス日伯協会代表のマリオ氏に頼み
洋服、靴、おもちゃ、本など30箱以上をすでに船で運んだ。
日本への義捐金だけでなく、パリンチンスの日本語教育のために使うことを
マナウスのみんなも快く了承してくれた。
6月中にパリンチンスでも実施したいのでぜひ協力してほしい。みなさんはどう思うか?」
⑬地震は悲しい事件だけど、バザーは明るくやりましょう。
日本語の歌も覚えてみんなで歌いましょう。(「夢の中へ」をクラスのみんなで合唱)
教案としてあんまりまとまってないし
ちょっと長くなっちゃったけど
こんな感じの授業をすべてのクラスでおこなったんだわ。
前半は思いっきり笑わせて、後半は真面目に。
ビアンカ先生ががんばってるこのパリンチンスの日本語教室は
日本語の文字、文法、発音だけじゃなくて、文化や習慣なども伝える素敵なクラスなんだ。
イラセマ先生が
ぼくの下手くそなポルトガル語を上手に直して生徒たちに説明してくれたよ。
マナウスの先生たちが勉強会で訳してくれた「看護婦さんの日記」も有効に使うことができた。
パリンチンスの生徒たちは驚くほど誠意を持って授業を聞いてくれました。
大人も子供も。