炎のらーめん。

としみん

2011年08月19日 05:41

BGM 炎の聖書(バイブル) byクラッシュギャルズ
http://www.youtube.com/watch?v=rFo95AeiCq4



もう一つの日本人家族である浜口さんは商店を営んでいて
ヒロミチさんによるとお昼休みでもうじき店が閉まる時間らしい。

タイムリミットあと3分のところで店を発見した。



レジ打ちをしているのが浜口さんだ。
「突然の勝手な訪問、すみません…。」と自己紹介をすると
「あんた、なんでも食べられるかね?うちでお昼ご飯食べていきなさいよ。
たいしたご馳走なんてなんにもないけどさあ。」と言ってくれた。

アフリカ丸で日本からやってきた浜口さんは九州は熊本の出身だ。
マナウスにも九州出身の移民は多い。
「日本は綺麗だし、便利だけど住みたいとは思わないねえ。」と話す。

1992年から5ヶ月。
なんと浜松市に住み、天竜川の橋を渡って
毎日クーラーを作る工場まで自転車で通勤していたというのだ。
その何年か前には天竜区と浜北区の間にあるヤザキでも働いていた。
懐かしそうに話をする浜口さん。
商店の裏手に自宅があった。

家に着くとブラジル人の奥さんと息子さんが出迎えてくれた。
「家は汚いし、何もなくて恥ずかしいわ。」と奥さんは言うが
なんと食卓に並んでいたのは「パカ」という
カピバラによく似た大きな野ネズミだった。

TBS『どうぶつ奇想天外!』HPより
和名:パカ
頭胴長:約60~70センチ
分布:メキシコ南部、ブラジル、パラグアイ
主な食べ物:植アボガド、マンゴーなど

やばい。ドかわいい!

















いただきまーす。



ぼくは、極端な動物愛好家ではないし極端な動物嫌いでもない。
どちらかといえば好きな方だと思う。
自分のペットが死ぬところのを見るのが嫌だから、自分では飼わない。
旅行中に面倒を見れなくなるのもかわいそうなので最初から飼わないことにしている。
責任持てんのだよね。
以前、ベタっていう小さい魚を飼ったことがあるが
死んだ時は可哀そうで庭にお墓を作って梅の木を横に植えたくらい。

捕鯨については研究目的ならば賛成。
食べるのは大好き。
クジラも馬もイノシシも羊も食べる。
牛や豚や鶏がOKでどうして他の動物がだめなのだ。

まあそれは置いといて
「パカです。匂いがきついけどどうぞ。大したものがなくてすみません。」
って言われて
「ごめんなさい。ちょっとこれは食べられません。」とは言えないよね。
実際口にしてみるとこれが旨いのだよ。
結局、マカロニ、ご飯、フェイジョン(豆)、ファリーニャ(マンジョカ芋の粉)と
一緒にいっぱいいただいてしまった。

「昨日は十五夜だったでしょ。月が出る前にやつら出てくるところを撃つんだよ。」
と浜口さんが説明してくれた。
商店だけでなく牧場も経営している浜口さんにとって
これは当たり前のことなのだ。

息子のヒデキさんが面白いものを持ってきた。



それは『HUNTERS』で行われたイベントのチラシだった。
『HUNTERS』というのは浜松のイベント会場でFM Haro!の本社スタジオの前にある。
ヒデキさんは千葉と浜松で出稼ぎしていたのだ。
湖西市にあるスズキの工場でも働いていた。

会社と家との往復でほとんど日本語を使わなかったこと。
湖西の工場はペルーの人が多かったこと。
醤油らーめん・みそらーめんをとにかく食べたいこと。

懐かしいなあ…と言いながら日本の思い出(浜松の思い出)を話してくれた。
やはり出稼ぎの人たちにとって大人気なのは
「ラーメンフォガオ」だった。

浜松にあるラーメンのチェーン店「五味八珍」(ごみはっちん)は
値段も比較的安くメニューも豊富で
日系ブラジル人に人気の店だ。
今はどうか知らないが
以前はどの店の入り口にも赤々と燃える松明があって客を出迎えてくれた。
「五味八珍」なんて漢字は読めないし
「ごみはっちん」という発音もなかなか外国人には難しいのだろうね。
在日ブラジル人は「ラーメンフォガオ」(炎のらーめん)と呼ぶのだ。
久しぶりに聞いてぼくまで懐かしくなった。

時計は1時20分を回ったところ。
そろそろリオブランコのセントロに戻らなければいけない時間だ。
「またいつでも来てくださいね。」と奥さんが言ってくれた。
セントロまでの道のりは浜口さんが車で送ってくださった。



ふだんはポルトガル語しか使わないんだそうだ。
道中、いろいろな話をした。家族のこと、移民してきたときのこと、日系団体のこと。
日本語を話すことが楽しくて仕方がない様子だったから、嬉しくなったよ。

ホテルに戻ったのが午後1時50分。
ロビーでパトリシアさんが待っていた。
さあ、本当に原爆展はできるのだろうか…。

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