ようこそパリンチンスへ。その2

としみん

2012年04月09日 02:02

今回の出張中、
午後の授業は、生徒たちによる劇の発表が行われた。



劇といえば
浜松でブラジル人学校のお手伝いをしていたときのことを思い出す、
日本にいながらにして、異文化に触れ、
いろいろなことに驚かされたものだ。

そのブラジル人学校の卒業式。
ビックリしたのは
なんとなく始まってなんとなく終わったこと。
日本のようなけじめがないのだ。
「これで卒業式を終わります」
みたいな挨拶もなく、好きな時間にやってきて
好きな時間に帰っていく。
ブラジルで生活してみて
だいぶ慣れてきたとはいえ、
これは日本のやり方のほうがいいなと思う。

逆にブラジルの人たちに見習うところもあった。
例えば生徒の自主性やアイデア
それから、後輩たちへの面倒見のよさだった。

わしが参加したブラジル学校の卒業式は
各学年ごとにテーマを決めて、
歌や踊りを披露するというものだったが
先生たちはほとんど口出ししなかった。
生徒たちの感性に任せて、内容が決まっていくのだ。

小さい子どもたちのいる学年には高学年の生徒たちが
積極的に入っていって踊りや振り付けなどを教えていく。

そしてなにより衣装作りの工夫が素晴らしかったのも記憶に残っている。
100円ショップで買ってきた材料で作った衣装で
カウボーイが生まれ、サムライが生まれ、トルコのダンサーが生まれる。
イベントを楽しむ術は日本人よりもブラジル人の方が上だなあと感心したものだった。

話が飛んでしまったが、
そんなことを思い出させるパリンチンスの午後の授業だった。
たった5分の日本語劇のために
生徒たちはがんばって小道具をつくってきた。
とはいえ、お金をあまりかけられないから工夫するしかない。
スーパーで買い物をする場面があれば
そこで売っているトマトやじゃがいもやにんじんも作ってくる。



手作りのタクシーを作ってきたグループもある。
タクシーのハンドルはバケツの蓋?プラスチックのお皿?なんだろう。



電気技師の資格を持っている生徒はドアのチャイムまで作ってきた。

この日は3つのグループが
日本語の劇を披露してくれた。

サッカーの試合を見る前にお店にいって買い物をするという設定。
ともだちと一緒にレストランに行き、知り合いに奢ってもらうという設定。
花屋で薔薇を買い、タクシーに乗って彼女に会いに行くという設定。
どのグループも一生懸命頑張ってくれたよ。





6月のイベントでは、他のクラスも交えて
全部で9つのグループが交代で出演する。
うーむ。これは楽しみだゾ!


関連記事