ブラジルの隅っこにて。その2
月曜日。
朝10時頃、
セントロからセニャドール・ギオマルド(旧キナリー)を目指す。
ロタサオっていう乗合タクシーで約30分。
ちょっと遠いけど、火曜日に行うUFAC(アクレ連邦大学)での
講義の打ち合わせをしたかったのと
セニャドール・ギオマルドに戦後入植した方たちの
お話をまた聞きたかったのだ。
セントロを抜けて
シコ・メンデス記念公園の前を通り、目的地に向かう。
幾つものロンバーダ(スピード違反を防ぐための突起物)を越える。
道路端の大きな看板には、痩せこけた女の子の写真が写っている。
アクレ州は住民の平均年収がブラジルで一番低いが
逆に麻薬・ドラッグの摘発量はブラジルで一番高いんだそうだ。
ペルー、ボリビアとの国境があるため
街にはドラッグディーラーも多いと聞く。
看板の女の子は麻薬中毒者なのだ。
その不健康な看板と対照的なのがどこまでも広がる青い空。
ボリビアとの国境へと続く
この道を通るのは今回で5回目だが
いつもその空の広さと鮮やかさに心を奪われる。
ジャングルを開拓してできたという牧場の上に広がる
空の景色はブラジル一といってもいいだろう。
リオブランコには工場も車もそう多くない。
市街地の周りに拡がるジャングルも
空気の循環に大きく貢献しているはず。
夜空も星が一面に広がってそれはそれは綺麗なのだ。
5ヘアイス払って乗合タクシーを降りた。
この街には日系人3家族が住んでいる。
そのうちの一家族、原さんちのお孫さん、
ハラジュンコさんが大学の講義のアシスタントをしてくれる。
ジュンコさんは日本の学校にも通っていたし
20年以上も日本に住んでいたとあって流暢に日本語を話す。
奨学生として経営学を学んでいる15歳の長男も
10歳の二男も日本の学校に通っていた。
ジュンコさんの家までは
いとこのヒルトンさんが送ってくれた。
彼も日本での生活経験がある。
今は小さな街(セニャドールギオマルド)で宝くじの店をやっているのだけれど
先日、鉄砲を突き付けられて売上の一部を持っていかれたという。
のどかに見えても結構物騒なところなんだな。
日本での生活経験も長いジュンコさんのうちで
お昼をご馳走になりながら
大学の講義の打ち合わせをした。
ジュンコさんの2歳になる娘にいたずらされながら
内容を詰めていく。
子ども三人抱えて日本から帰ってきての生活。
仕事も忙しいからジュンコさんも大変だ。
旦那さんは横浜で働いている。
打ち合わせも無事に終わり
親子のお昼寝を邪魔しないように家を出た。
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