今週月曜日の午後と
水曜日の午前を使って
非日系のヒカルド・タボザ先生と
マナウスにある日系企業の工場見学に行ってきたよ。
会話クラス開設に向けて
何かヒントがあるんじゃないかと思ってね。
まず月曜日はFCCさんにお邪魔しました。
わしの故郷浜松に本社がある企業で
社長の斉藤さんも浜松出身。
お忙しい中隅々まで工場を案内してくださった。
ここは、世界トップクラスのクラッチ製造会社なのだ。
製造現場で目にした注意書きはこちら。
Aqui não pode fazer CHOI-OKI!
「ここにチョイ置き禁止!」
不良率を抑えるためにも作業の途中でライン上に製造品を置かないこと。
そのままポルトガル語表記してあるところが興味深かった。
日付変わって水曜日はSONYさんを見学させていただきました。
こちらもブラジル・ソニーの牛田副社長自らが
丁寧に案内してくださいまして恐縮することしきり。
こちらの工場だけで
67種の製品に130の基盤、扱う部品点数は約8000点。
製造の不良をなくし、生産効率を高めるためには
「改善提案」は必要不可欠。
副社長の背中にも「KAIZEN」の文字がある。
この工場で耳にした変わった日本語は
『POKA YOKE』だった。
こちらを参照↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%AB%E3%83%A8%E3%82%B1
最新型の基盤製造ラインにビックリ。すべて自動!
緑の基盤に半導体などの部品がすごい勢いではんだ付けされていく。
そして、それを目にもとまらぬ速さで
機械自らが青白い光で照らしながらチェックしていく。
その光景は、緑の大地に建てられた高層ビル群を
サーチライトが照らしていく様によく似ている。
完全オートメーションの基盤製造機。
機械なんだけど、なんだかどこまでも美しいのだ!
地元学生の受け入れをしたり
基盤によっては一人一基盤を完全手作業でおこなっていたり
それぞれの現場にきめ細かなさまざまな工夫が施されていて
日本企業の凄さを改めて思い知った。
実際、どちらの企業でも
ブラジル人が現場で日本語を使う機会は皆無。
ただ従業員が日本にそして日本企業に愛着を持つためにも
あいさつ程度から会話をマスターしていくというのは
悪いことではないだろう。
アマゾンって聞くと
ブラジル人でも
「インディオがいるところだろ?」とか
「人間が住めるのか?」とか
否定的な発言をするものがいるくらい。
秘境の地という印象はまだまだ多くの人が持っている。
実際わしも2年前に派遣される前は知識ゼロだった。
今でも日本人のほとんどがアマゾンについてなんも知らないだろう。
ずっと前に観たカルトSF映画のタイトルじゃないけど
まさに『未来世紀ブラジル』って感じだ。(内容じゃなくてタイトルのみね)
確かにいまだにインディオが住んでいる場所も
ジャングルの中には存在する。
何十もの部族が昔ながらの生活を守っているよ。
アマゾナス州だけでも日本の4.5倍の大きさがあるのだ。
その州都マナウスの工業地帯は別世界。
最新型の機械から次々に優秀な製品が生み出されていく。
そしてブラジル中に製品が出荷され、国の経済が動いている。
その工業地帯にしっかり根を張る我らが日本企業。
マナウス・フリーゾーンの中
韓国、アメリカ、ドイツなど多国籍企業計406社のうち
日本企業は30社だ。
FCCの斉藤社長曰く
「HONDA,YAMAHAなど日本企業が企業の枠を越えて
協力しながらコミュニティを作っている工業地帯は世界的にも珍しいんですよ。」
ライバル会社が困った時は、工作機械を貸したり借りたりする工業団地なんて
世界広しと言えどもこのマナウスだけだろう。
なんだかいい話だ。
緑のジャングルの中の工業団地にいると
日本人でいることが誇らしくなると同時に
自分にもエンジンがかかるな。
まだまだ頑張らにゃいかんだろー。