ぼあびすた。⑤
おもてなしの街ボアビスタは今回も健在で
みんながみんな気を使ってくれる。
「午後はどこに行きましょうか。」
日系人のサンドラ・ツクダさんも声をかけてくれた。
以前も街に住むインディオの陶芸家を紹介してくれて
工房を案内してくれたことがあったっけ。
ANIR日本語教室の現在の校長先生セルジオさん一家、
それから生徒研修で日本に行ったこともあるタイナさんとともに
ブランコ川にボートを借りて繰り出すことになった。
七夕祭りをしたFARESの裏のほうにある船着き場から出発。
夕方の舟遊びは風も涼しくて快適だ。
船は、グイアナに向かう道が走るマクシー橋に近づいていく。
マクシーはインディオの部族の名前だ。
ボアビスタの周りには
多くの部族のコミュニティが点在している。
いつか機会があったらいってみたいと思っている。
バスでマナウスから旅するのもいいだろう。
雨季だというのに
今年は降水量も少なく、ここホライマも異常気象だという。
セルジオさんは
「トウモロコシを作らなくてよかったな。」とつぶやいた。
セルジオさんは養鶏家であり、鶏のえさになるトウモロコシの栽培もおこなっているんだ。
ボートの上ではサンドラさんが解説してくれる。
「あれが街で一番有名な川に臨む展望台。本当はもっと大きくなる予定だったけど
なぜか途中で工事がストップしたままなのよね。たぶん政治家がとっちゃったのよ。」
サンドラさんは警察官だ。
「この川の下流で訓練をおこなったことがあったわ。重い制服を着たまま泳がされてね。
何キロ泳いだのかなんて覚えてないわ。遠くに見えるあの山にも訓練で登ったことがあるの。」
川岸に大きな屋敷が見えた。大きなボートが停泊している。
「ああ。これは泥棒の家よ。わたしの同級生なの。学生時代は綺麗なポエムなんか
書いてたのにね。今は政治家になっちゃった。」
ああ、それで泥棒ってことか。
ジャングルの木の上にイグアナが寝そべっているのが見える。
船頭さんによるとガリバーと呼ばれるサルも生息してるんだそうだ。
毎年水没する箇所も今年は少雨のため
うっそうと茂った木々も残ったままだ。
座礁するといけないので、残念ながら支流にまで入っていくことはできなかったけれど
十分楽しい舟遊びだったな。
サンドラさん、セルジオさんに感謝!
◆いざ出発!
◆ロライマとグイアナを結ぶマクシー橋。1970年代の後半に完成した。
◆ガイドしてくれたサンドラさんに感謝!
◆ANIR日本語教室の校長先生セルジオさんにはいつもお世話になっている。これまた感謝!
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