大いなる野望。

としみん

2012年08月11日 00:43

やってきたのはServiço de Pronto Atendimento Alvorada。
24時間の病院だ。
受付の前には長蛇の列。とりあえず並ぶ。

窓口で身分証明書を出してさらに待つ。
さすがアマゾンの病院だけあって壁の絵もオオオニバスだったり
アラーラ(オウム)だったりする。
身体は相変わらず痛いのでじっと座っていられない。

受付横の小部屋にいるおばちゃんに呼ばれた。
「としーみーつすーるーたー。」
みんなに見られる。でもって笑われる。
ブラジルの人はTSUの発音が苦手だからそれがおかしいらしい。
熱を測って血圧測っておばちゃんの仕事は終わり。



実はまだこの時点で病院内には入らせてもらっていない。
まだ冷房がキンキンに効いた待合室の中だ。

木場さんがアイスキャンディを買ってきた。
風邪っぴきにアイスキャンディはどうかと思うけど
折角のご厚意なので戴く。

うう。寒い。

一緒にどうぞと言われたバナナチップスは止めておいた(当たり前だ)。
ゲイリームーアのツアー中に油もんを食べるほどの阿呆ではない。

「としーみーつすーるーたー。」
呼ばれた。またみんなに見られる。でもって笑われる。

「廊下の一番奥の部屋ね。」と言われたので奥の部屋に行ったら
全員なんかの機械を鼻の穴に刺してフガフガやっていた。ネブライザーだっけ?

部屋間違えた。

全然突き当りじゃないじゃんか。

4号室のマリオ先生は大変いいひとで
優しい笑顔と優しい口調で診察してくれた。

「症状はわかったから、廊下の反対側の検査室で検査しましょ。」

廊下には「病院は静かに!」と書いてある貼り紙がしてあるが
その貼り紙の上にあるクーラーがゴーゴーと一番うるさいのであった。

検査室の机の上に無造作に置かれた段ボールの中には
青いふたの容器がいっぱい入ってる。
おばちゃんがこのケースの中に便を入れてこいと言う。
アイスクリームの木のスプーンを「バキッ!」っと折って
「これを使うのよ。ふふふ。」と笑う。
なぜバキッって折ったのかは不明。

「トイレはどこですか?」と聞くと
廊下を戻って、受付を通って、待合室を抜けたところだと答えてくれた。
また、あそこまで戻るのか。

ギンギンに冷えまくった待合室には
よめさんと木場さんが待っている。
「どうでした?終わりましたか?」
「いやいやいやいや。これからですー。」

待合室の奥のトイレで作業に移る。

しかしだ。このトイレには鍵がなかった。

便座から腰を浮かせ
左足のつま先のみで扉を押さえるという
トイレの中『ひとりツイスターゲーム』のようなスタイルで
なんとか終了。

ここからひたすら凍えつつ検査結果待ち。

ブラジルの人たちは待つことに慣れている。
病院にいっても銀行にいっても郵便局にいってもひたすら待つ。
まあ、待つしかないのだから待つわなあ。

「とーしーみーつすーるーたー。」
呼ばれた。
検査結果を渡された。
「これを持って先生のところにもう一度行ってください。」

検査結果はホッチキスで留められてるけど
中身は全部読めちゃう。ポル語だから100%はわかんないけど…。

Flora Bacteriana Almentada
植物性(?)バクテリアが増えてるってことか。

先生がぶわーっと説明してくれるが
ようわからん。
デンギ熱は身体が赤くなるし湿疹も出るから違うぞと
なんかに感染して下痢になったんじゃないか。
多分そんなようなことを言われた。

「薬はこれとこれを飲みなさい。」
「はい。」

廊下を戻り、薬を受け取る場所までやってきた。
子供がぎゃーぎゃー泣きながら注射を打たれている。

「この薬をお願いしたいんですが。」
「はい、はい。中に入ってくださいね。」

なに?なに?薬くれるんじゃないの?

部屋の中に通された。両側には点滴をしている親子がいた。
お?なんか始まるのか?と思っていると
「はい。ここに手を乗せて。」

右手の甲を消毒液でキュッキュッと拭かれた。
おお、今度は甲に注射を打つんだ!?
いちいち驚くことだらけだな。

なんだろ。ブドウ糖かな、2本太いのを注入されたよ。
点滴みたいにチビチビじゃないんだよね。1~2分で終了。
その施術もおばちゃんオリンピック見ながらだったりするし…。
いや、でも目出度いことにこれで元気出てきちゃったのよ。

これで診察&検査は終了!

診療費は?

なんとまあ、この病院も無料だった。
貧しい層の人たちも無料で診療を受けられるようなシステムで
24時間だれでも診察してもらえるとのこと。

警察官は順番抜かしで診てもらってたけどね。

処方箋に従って薬を買うことにした。
ビタミン入りの粉末は1リットルの水に溶かしてひたすら飲む。4袋入り。
無駄に箱がデカイ強力な熱さまし1錠に整腸剤7錠。
しめて80ヘアイス。(約4,000円)



木場さんが言った。

「お腹空きましたね。焼き肉食べに行きましょう!」

「焼き肉すか?」

「元気つけなきゃ。」

というわけで焼き肉を食べに行った。

誘う木場さんもすごいが、それに乗って食べてしまうわしもどうかと思う。


ぺろり。ご馳走様でした。

案の定、次の日からゲイリームーアアンコール公演決定。
*ゲイリームーアファンの皆さんすんません。

今日は金曜日。
やっと身体も普通に戻ってきたので
こんなくだらん(いやくだってたんだが)
Blogも書けるまでに回復した。

それにしても
言葉が使えない国での病院通いほど、
怖くてストレスフルなものはないなあと実感。
わしの場合は木場さんが受付までついてきてくれたし
車で送ってくれたり、病院を見つけてくれたりしてくださった。
いたれりつくせりだ。
これを全部ひとりでやっていたら大パニックだわ。
日本で暮らす外国人のみなさんも同様だと思う。

診察の仕方も
そこに辿りつくまでの手続きだって
国によって異なるだろうしね。

事務所の皆さんにもご心配をかけてしまった。
「これがお腹にいいのよ。」とアマゾンのフルーツを薦めてくれたりと
みんな親切なんだ。
事務所のゆきえさん曰く「下痢にはコーラが効くのよー。」
本当でしょーか?

なにはともあれ元気になりました。めでたし、めでたし。
&無理せんように気をつけますーっ。


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