インディオの村訪問。⑦
ごーん。ごーん。
鐘が鳴る。
15分後、ルイさんという酋長がゆっくり近づいてきた。
襟付きのシャツにGパン姿だ。
我々が想像しがちな映画やマンガにでてくるような
インディオの格好をしているものはいない。
今ではお祭りの日くらいにしか着用しないという。
それから、通りがかりの女性。
もう一人子供も顔を出した。
会議スタート。
え?これだけ?って感じ。なんだか気が抜けるな。
とはいえ、目の前にいるのは
カシッキ(酋長)でそれなりに緊張感もある。
そして、インタビューが始まった。
「きみはどこから来た?ここには何をしに来たのだ。」
「わたしは日本人です。マナウスに住んで2年になります。
インディオの生活を見たくて来ました。
私は音楽もやっていますから
日本の音楽も紹介したいし、折り紙も紹介したいです。
そして、あなたたちの音楽や伝統工芸も教えていただきたいのです。」
わしは、お土産のサッカーボールと自分のCDと
自分のインタビューが載ったブラジル人向けの雑誌を差し出した。
よめさんが陶芸家でマナウスでも活動していること、
ダニエラさんがいろいろな国を訪問していることなども伝えた。
「よし、許可しよう!写真撮影もOKだ。楽しんでいきなさい。
まずは、インディオのジュースを飲ませてあげよう。」
民家に入って出されたのはマンジョーカ芋のジュースだった。
カリチアンの言葉ではクットプと呼んでいた。
ヴィラニーさん、ジョアキーナさんという女性が笑顔で迎えてくれた。
家の中にも外にも色鮮やかなオウムがいて
土間には犬が寝そべっている。
壁にはキリスト教の教会のマリア様のポスターがある。
こういうところは現代的だったりするんだな。
こんな山奥までタクシーが来るのかわからんが
アマゾンタクシーと書かれたカレンダーも貼ってあった。
ジュースを飲んでみる。
ううう。
ぬる、あま、生っぽい…。
このマンジョーカ芋の甘いジュースには
うちのよめさんもダニエラさんもギブアップ。
わしも8割飲んだところでご馳走様した。
通りがかりの男から連絡が入った。
「大きなアンタが獲れたから、今、みんなで分けているぞ。
きみたちもいっしょに見に行ってみるかい。」
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