インディオの村訪問。⑧
アンタというのはバクだ。
夢を食べてしまうというあの動物だ。
夢を食べてしまう動物を食べてしまうのだ。
オリビアを聞きながらを聞きながらとか
いちご白書をもう一度をもう一度に似たもんがある。
よくわからんって?まあ、いい。
早速、みんながアンタを分けている現場にいくことにした。
セントラルから手作りの木の橋を渡り
川向かいの部落を訪れる。
木の橋では子どもたちが水浴びをしている。
橋を渡ったところには大きな三つの給水塔がある。
渡りきったところにある広場を
少し左に曲がったところにいくつかの住居があり
その一角に住民が集まっていた。
200キロ近くはあるだろう。
びっくりするような大きさのバクの頭が切り取られ
胴体も今まさに各家族に切り分けられているところだった。
猛烈な数のハエが肉に内蔵にたかっている。
再び吐き気が襲う。
どうしようもない生肉の臭いと強烈な住居のゴミの臭いで
倒れそうになりながら住民たちとコミュニケーションをとった。
動物を狩り、肉を切るのは男の仕事。
すべての住居に平等に分け与えるのだという。
ビローンと伸びた腸を水で洗う女性はまだ20代前半。
完全に同じ顔の女の子がそばにいる。
姉妹かと思ったらそうではなかった。15歳の時に産んだ娘だった。
これだけでもびっくりなのに最初の子供は13歳で産んだんだそうだ。
これまたほんまかいな?
「ほら。アンタは蹄が三つなんだよ。」とひとりのインディオが見せてくれた。
Wikipediaによると
『成獣の体長は1.7~2m程度。ブタのような体つきをし、
ゾウの鼻のような口吻をもつ。
奇蹄目はその名が示すとおり、通常奇数の指をもつが、
バクの各脚の指の数は、前脚が4本、後脚が3本である。』とのこと。
ちゅうことは、見せてくれたのは後ろ足か。
子どもの中には生肉の切れ端を食べるものもいる。
わしはユッケは好きだし、馬刺しもレバ刺しも大好きだ。
しかーし!
錆だらけ、雑菌まみれの鉈で切り分けられた肉を食べるのには抵抗がある。
肉を切り分けている横にかまどがあり
早速調理が始まった。
炊事場にはビニールの屋根があるが
屋根の上はなぜかゴミだらけ。
現代人が持ち込んだゴミの問題は厄介だ。
この日はなんだか身体の調子が悪かった。
パッカ(野ネズミ)に野ブタにエイにワニ、
ピラニアだってカメだって
木の皮の中に住む芋虫さえ食べてきたわしだけど
アンタには手が伸びなかった。
(これ、身体の調子がよかったら、食べてたかもしれん。
アンタの肉ってのはすごく美味しいんだそうだ。
そういえば、マナウスのタクシーの運転手が言ってたっけ…。)
がっつり食べてたら食中毒になってたかも。
関連記事