インディオの村訪問。⑩
インディオが住む藁葺きの民家には基本的にガラス窓はない。
木の枠があるのみの粗末な物だ。
その家の中にハンモックを吊って寝る。
以前は大きな住宅の中に何十家族もまとまって暮らしていたらしいが
現在は個々の家族が独立して生活している。
民家の横に長く張り巡らされた洗濯ロープには
色とりどりのTシャツと短パンの洗濯物が干されている。
コリンチャンスにサンパウロと
ブラジルで人気のサッカーチームのユニフォームも少なくない。
そんな家の軒先には、ジャングルの中で捕獲された動物たちの頭蓋骨が
そこかしこに吊る下げられている。
ルイ酋長の家にも立ち寄ると
早速さっき解体したばかりのバクを焼いて食べているところだった。
まわりには犬もサルもいる。
写真を撮っていいかとおばあちゃんに聞くと
「犬はいいけどサルはダメよ。死んじゃうからね。」と言われた。
酋長の家の隣には大きな木造の建物があった。
ガラスもない窓から中をのぞくとびっくり!
黒いストラトキャスターが見えた。
エレキギターとエレキベースとアンプがあるぞ。
この建物はこの部落で一番古い教会だったのだ。
想像していたインディオ部落の姿と
現実の姿のギャップが激しすぎて戸惑ってしまう。
歩きながらアンテノールさんに聞いてみた。
「バクの調理をしてたときに、男の人たちがもめていたようですけど
あれは何が起きたんですか。」
「部落の隅に住んでいる男が『自分の家には電気がきてない』って
酋長に文句を言ったんだよ。」
「はあ。なるほど。」
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