インディオの村訪問。⑮
暗闇の中
橋を渡って辿りついた集会場では
アンタを切り分けていたテーブルに
男たちが集まって話をしていた。
はい。はい。
歌歌いますよーっと。
ケースからギターを出して
ここからはオンステージ。
最初は男だけだったテーブルには
女性や子どもも集まりだした。
水も飲まずに歌うこと2時間近く。
ブラジルの童謡にポップスに英語の歌にもういろいろ。
ジャングルの自然のエコーが気持ちいい。
音楽っちゅうのは国境も超えるなー。
といっても
異文化の異人種を相手に
2時間近く歌うってのは結構大変なんだよ。
手を変え、品を変え
表情を作り、
子どもをいじりたおし
えらいいいかげんなポルトガル語で解説を入れつつ
歌っていくのだ。
なぜか『島唄』が大人気で4~5回は歌った。
わしがアレンジしたロングバージョンなのだが
後半盛り上がってきて
みんなで「らららら~♪」って歌うってところが
気にいったようだ。
ううむ、さっき飲んだ薬のせいか汗が止まらん。
折り紙も同時進行で始めちゃったから
もう収拾がつかない。
歌って、折って、折って、歌って。
(と言っても折り紙担当は9割よめさんだったけど…。)
折り紙はピカチューと鶴の2種類だが
凄い数の子どもたちが集まってきてしまったので
それぞれ2つずつ作らなきゃいかん。
「うちの子はまだ持ってないから。この子に作ってあげて。」
「ぼくにもちょうだい。」
「わたしもほしい。」
超カオス状態。
結構勝手なもんで、「くれ!くれ!」言うが
「ありがとう」を言う人は少ない。
あんたらは、クレクレタコラか!
アンテノールさんは
『インディオは尊敬の気持ちを持ち、忍耐がある。』と言っていた。
ううむ。
またしてもハテナマークが、ぽよよよよんと頭に浮かぶ。
突然、木の実でできたアクセサリーを首にかけられた。
これは嬉しい。
さらにアンテノールさんによる
インディオの部族に伝わる歌も聞くことができた。
カリチアン族の歌は、録音されているものはないそうで
すべて彼の頭の中にある歌詞とメロディが頼りなんだそうだ。
折り紙を教えて
アクセサリーをもらう。
日本の歌を歌って
インディオの歌を聞かせてもらう。
いい物々交換じゃないか。
文化交流か…。
子どもたちが笑い
酋長が笑う。
なんとも幸せな時間だった。
(酋長は写真の時には絶対笑わないでおっそろしい顔してるんだけど
歌を聞いてるときとかは、笑ってるんだよ)
女の子が紙を差し出してきて言った。
「ねえ、メールを書くからアドレス教えて!」
うげ。コンピュータもあるんだ?!
時刻は午後11時。
宿泊施設に戻ってねるとしよう。
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