続・ブラジルでテスト。

としみん

2013年04月25日 23:32

水曜日。

午前5時起き。
いつものコースをジョギングして
途中の青果店で野菜と果物を買ってきた。



せっかくマナウスにいるんだから
少しずつここの素材も使って料理してみよー。

というわけで朝食はこんな感じ。

マラクジャの生ジュース しじみの味噌汁 
キャベツとベーコン炒め ファリーニャ 五穀米ごはん



洗濯を終えて
ダッシュでバス停に向かった。

今日もCELPE-BRASの試験なのだ。
二日目の今日は面接が待っておる。

会場のUFAM(アマゾナス連邦大学)には
ぎゅうぎゅう詰めのバスで向かう。
運転が荒いんだよなー。

到着するとすでに前日見た顔が
廊下に並んでいた。
そのあと会議室に通され、ひたすら自分の番を待つのだ。

昨日の日記に書いたことをいろいろ訂正しなきゃいかん。

日本人はわし一人と書いたのだが
会議室のわしの隣に座った女性は
日本語で書かれたプリントを読んでいるではないか!

すかさず「日本人ですかー?」って聞いたよ。

彼女はパラグアイで生まれた日系人で
小さいときから日本で生活し日本の大学も卒業していた。
生物学を勉強するために
すでに4~5年マナウスに住んでいるという。
外国人が博士課程を大学院で取得するには
どうしてもこの試験に受からなきゃいけないんだそうだ。

なぬー。そんなレベルの高い人たちばかりだったのか!
わしなんぞ底辺をさまよいまくっておるぞ。

昨日の試験についても内容を聞いてみると
わしの答えはだいーぶ間違った方向を
向いていたことがよくわかった。

例えば、水力発電の住民に対する説明会ではなく
もうすでにできている発電所の経済効果を説明する説明会だったり
電車通勤を進めるんじゃなくて、相乗りを進める趣の通知文だったり。
オウメウデウス(オーマイガー)
なかなか世の中そんなに甘くないってことだ。
もっと勉強せにゃならん。

日系人の彼女曰く
「わたしはあなたのことペルー人だと思ってました。」

うひー。やっぱりそうか。

それを聞いていた隣のスペイン人も
「わたしも」と頷いていた。がーん。

さて、散々待たせられた末の面接。
やたら緊張した。

まず、部屋に入ると若い男の子がいて、
「もうじき面接官の先生がやってきますからしばらくお待ちください。」
と言った。アシスタントの学生なんだろうな。

そのうち、この学生がベラベラと喋りだした。

「あなたは日本人ですか?
実はわたしの妹が日本語を習っているんですよね。
日伯にもよく行っているんです。
太鼓のグループにも入ってるんです。」

よく話を聞いてみたらわしのよく知っている子のお兄ちゃんだった。
うーむ緊張感ゼロ。

そのうち、年配の女性が入ってきた。
彼女が今日の面接官だ。

自己紹介。
ブラジルに来た目的。
日本とブラジルの文化の違いについて思うこと。
などなどの質問があった。

それから問題。

英語検定の面接試験のような内容だったよ。

厚手の紙に絵と文が書かれているものを
渡されて、まずはそれを黙読。
そのあと、それに対する質問がバンバン出されるってわけ。

文章に書かれている単語も
難しいのが多いから勘に頼って答えるしかないわな。

一枚目は、「日曜日は憂鬱?」みたいなお題で
オックスフォード大学かなんかの教授によるデータを基にした
雑誌かなんかの記事が載ってた。
いくつか質問に答えたところで
アシスタントが首を振りだした。

なんだ?なんだ?わし、変な答え言ったか?

いや、違った。
録音機械の容量がフルになったんだか
電池が切れちゃったみたい。

「トラブルですー。少々お待ちくださいー。」

ここでまさかの面接中断。

面接官とのおしゃべりタイムスタート。

ゆるすぎる…。

いっしょうけんめい話したけれど
この辺は点数にはカウントされんのだろうな。
面接官の家族の話とかされてもなあ…。
まあええか。

20分は待っただろうか…。

アシスタント戻ってきた。
面接再開。

また1問目から同じ質問された。
そして、次のお題。
「夜に行う仕事は効率的か?」

さらに
「想像力を養うには…。」みたいなお題で
面接が延々と続く。

うー。語彙力がないから
えらい苦労したけどなんとか乗り切った。

面接終了後はまたしても学食で一人寂しく昼食。



大学構内では
何人かの日伯の日本語学校の生徒にも出会った。

もう9年勉強しているっていう生徒でも
なかなか日本語が定着してない。

「おい先生。元気か? 勉強か?」

とかいきなり言われるとビビる。

たぶん、親しみをこめたいがゆえの「です・ます調」封印なんだろうが

「テストか?むずかしかったか?」と超年下の小僧に言われると
「あんた、おれの上司か!?」って突っ込みたくもなる。

そんな彼と同じバスに揺られて自宅まで帰ってきた。

夕方まで事務所で仕事して
夜は由昭先生のうちにお邪魔してきた。

9時半までがっちりパワーポイントの手直しをしてもらって終了。

怒涛の一日がやっと終わった。
夕飯は抜きだ。疲れちゃったんだもん。

そういえば、今日出会った商工会議所のHさんが言ってたっけ

「えー。あのテスト受けたの?
ブラジル人でも難しいって言われてるテストでしょ?」

へぇぇ、そうなんだー。

というわけで何か月後かに発表される結果が悪くても
自分を納得させることができるだろー。

ただ、今回よかったのは
『外国で外国語のテストを受ける受験者の気持ちが
痛いくらいによくわかった』ってこと。

これで、これからは
もう少し学習者にやさしく接することができるようになるであらう。

関連記事