『インディオの集会とフォルタレーザの丘』

としみん

2012年01月09日 01:40

タクシーは、街のフットボール場に近づく。

なんだか派手な音楽が聞こえ、沢山の人たちで賑わっている一画が見えた。

「ああ。あれはインディオのお祭りだね。みんなで踊ってるんだよ。」
ちょっと興味があったので覗いてみることにした。

一番手前でおばちゃんがなんか得体のしれない液体を扱っている。
「これはジュースの一種ですか。」と聞くと
「一杯どうぞ」とばかりになみなみ注いでくれた。
ププーニャのジュースらしい。

うー。はっきりいって不味い。

熱帯の植物で屋根を葺いた建物の下でインディオたちが踊っている。
何人もの酔っぱらいにからまれる。
昨日のフェスタでもそうだった。
酔っぱらい率は驚くほど高い。
未成年者も女性も凄い勢いでアルコールを飲んでいたのが印象的だった。

今日はあちらこちらで
おっちゃんたちが吐きまくっている。
もうびっくりするくらいの吐きっぷりで
ようあんたそんなに飲んだねえって言いたくなるほどだ。
インディオがアルコールに手を出すと
もうやめられなくなって中毒になってしまうらしい。
こういうところも現代社会と距離をおかせる理由のひとつなのだ。

ホテルに帰る途中ですれ違った女性に
「昨日のショーはよかったわよ。」って声をかけられた。
嬉しいこっちゃ。

午後5時30分。
夕陽が沈む前に「フォルタレーザの丘」へと向かって出発。
高さは111メートル。
草はボーボーだし
虫もブンブン飛んでいるが
昨日のボア・エスペランサに比べたらなんてことはない。
すぐに頂上に着いた。
頂上には1763年にポルトガル人がスペイン人の侵略を
防ぐために作った要塞の遺跡がある。
街もネグロ川も遠くの山も見渡せる気持ちのいい場所だ。

でもこんな落書きもあった。
「ぼくは自分が嫌いだ。もう死にたい。」
ちょっとぞっとした。

頂上から降りてネグロ川で水浴びをする。
近所のひとたちの風呂場なんだな。

子どもたちがやってきて釣り糸と針とえさで釣りを始めた。
竿はない。
それでも何匹か釣り上げたから大したものだ。
その場で食べられないヒレを折って川に捨てる。
今夜のおかずになるんだろうな。

夕陽が対岸の山の向こうに沈んでいく。

ギターの練習をしたら今日は早めにねてしまおう。

◆バケツに入っているのは絵の具に見えるがププーニャのジュース。


◆ププーニャのジュースであっという間に唇は黄色くなった。


◆フォルタレーザの丘に書かれた落書き。


◆ネグロ川の向こうに夕日が沈んでいく。

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