出張先のパリンチンスでは
一年に一度『ボイ・ブンバ』と呼ばれる奇祭が行われる。
青い星がトレードマークの「カプリショーゾ」と
赤いハートがトレードマークの「ガランチード」に
街が真っ二つに分かれて
歌や踊りで競い合うのだ。
その派手派手しい祭りを見るために
ブラジル国内だけではなく
世界中から観光客が押し寄せる。
期間は6月末の金・土・日の三日間。
この期間のみ、ホテルの値段や航空運賃は
信じられないくらい高騰する。
約1年近くパリンチンスに出張をしているけど
ふだんのパリンチンスはものすごく穏やかでのんびりしてる。
『ボイ・ブンバ』が近づくと
どこからともなくいろいろな業者がやってきて
屋台を並べ始める。
夜な夜な花火が上がり、
両チームは歌や踊りの練習に精を出すのだ。
もちろんアンチ祭り派もいるけれど、
大多数は祭りが大好き。
ふだんの授業でも必ず
「先生はガランチード?カプリショーゾ?」って聞かれる。
日本語の授業も赤チーム青チーム真っ二つに分かれるのだよ。
この街では
赤も青も平等にしなけりゃいけないから
青いコカコーラの缶も売りだされるらしい。
企業も大変だわ。看板も全部、赤と青を平等に作らなきゃならん。
まず、コカコーラ。
それから、カイザービール。
この可愛いのはTRIPっていう航空会社。
電話ボックスもこんなん。
ボイブンバの会場前のお店だって綺麗に塗りなおされてた。
それから、こっちはガスの会社のポスター。
配達されるガスタンクも赤と青。
水道のメーターもね。
極めつけはこちら。
ガランチードバージョンとカプリショーゾバージョンの棺桶だわ。
ちゅうわけで
わしのピックも赤と青にしてみたよ。
