釣りとユニフォーム。

6月17日

午前10時に日本語教室の生徒であり先生でもあるアルベルトくんが
ホテルまで迎えにきてくれた。

今日はこれから光日本語教室の田辺先生、ミサキ先生とコロニアを訪問する。

田辺先生が釣りに連れていってくださるのだ。

コロニアとは日本移民の移住地で
ロンドニア州のそれは『トレゼ・デ・セテンブロ』という名で呼ばれる。
1954年7月に田辺先生一家も日本から移り住んだ。
今では日本人の住民も数えるほどしかいなくなったが
かつてはジャングルの中にあるこの場所に29家族が生活を営んでいた。

田辺先生とのお付き合いは約3年になるが
今回念願叶ってコロニア訪問とアマゾンフィッシングの両方を
体験することができた。

釣りとユニフォーム。

セントロから国道を抜け、まだ舗装されていない赤土の道を
コロニアに向かって走る。もうもうと立ちはだかる赤土の埃で視界はほとんどゼロ。

釣りとユニフォーム。

田辺先生は慣れたもので上手に車を追い抜きながら走り、
そのあとをアルベルト君が続く。
少年時代から移民としてコロニアに住んでいた田辺さんは
当時何十キロもの赤土の道を徒歩でセントロまで通っていたという。

日本語教室のアルベルト君は完全なブラジル人。
非日系人ながら、
そんな移住者の歴史もよく理解している。

「アルベルト君。運転大丈夫?すごい赤土だもんね。
それにしても、セントロまでのこの遠い距離をよく先生は通っていたよね。」

「ホントですね。田辺先生は英雄です。」

こんな会話をしているうちに視界が開け、我々はコロニア内の釣り堀に到着した。

釣りとユニフォーム。

もう何年も前に
田辺先生も子供のころ遊んだという自然の川を上手に堰き止めて
タンバキーやマトリシャンなどの大型魚が放流された。
その後、その場所は、釣り堀やレストランとして営業されていたのだが
経営者の都合上、5年前に閉鎖。
現在は、放置状態なので釣り堀とはいえ、ここは自然の魚の住処なのだ。
どんな魚がいるかもわからない。
時には10キロ以上の大型魚も釣れるのだという。

市内の精肉店で購入した牛肉や心臓が魚の餌になる。
参加したミサキ先生、わし、アルベルトくん、ナターリャ、奥さんの恵子さん、
そしてご自分のと6本もの竿を田辺先生は前日から用意してくださっていた。
全部リール付のしっかりした立派な竿だ。
田辺先生夫妻以外はみんなど素人なので餌をつけたり、
針を替えたりと田辺先生は大忙し。

数年前はここで日本語教室主催の釣り大会も行われていた。

「準備大変だったでしょう?」

「なあに。みなさん勝手にやってくれますから楽なもんでしたよ。」

「あっ!」

「どうしました!?」

「ナターリャが早速釣り上げたみたいです!」

網をもって田辺先生が走る。
ジャングルの中で育った田辺先生は動きが我々とまるで違うのだ。

釣りとユニフォーム。

ジャングルの中、太陽は青空の真上まで上がり
ますます日差しが強くなってきた。
連なって並ぶ椰子の木が水面に映し出される。

釣りとユニフォーム。

かつて、アマゾンのジャングルのど真ん中に
日本から移民船で移ってきた人たちがいた。
今日のわしと同じように
こんなジャングルの景色を見ながら、こんな日差しの下で暮らしてきたんだもんなあなどと
考えながら竿を垂らす。
恵子さんが釣り、ミサキ先生が釣り、
アルベルトくんがすごい大きさのタンバキーを釣り、
もちろん田辺先生も何匹も釣り上げる中、
わしだけヒットがない…。

釣りとユニフォーム。

ああ。アマゾン最後の釣りは坊主かと諦めていたころ
急に糸がぐぐぐっと伸び、両手に重い手ごたえがあった!
やったー!
ついにゲット!

釣りとユニフォーム。

この日はみなさんたくさん釣ったので
わしが釣った二匹もリリースした。

田辺先生は釣ったばかりのタンバキーを上手に裁き
あっという間に刺身を作ってしまった。

釣りとユニフォーム。

「トシミさん。前に約束したタンバキーの刺身!どうぞ!」

美味し!
いと美味し!

釣りとユニフォーム。

アマゾンのジャングルの中、こんな経験なかなかできるもんじゃない。
田辺先生に感謝!いつか必ず遊びに戻ります!

赤土の道を走り、再び我々はセントロに戻ってきた。

アルベルト君にお願いしてセントロで寄り道したのが
「DISCLANDIA」ってCDとロックグッズの店。この店意外に安いのだ。

釣りとユニフォーム。

ホワイトスネイクのベストが5へアイス。250円。
JUDAS PRIESTのTシャツも買った。
数日後にはロブハルフォードみたいな頭にしちゃうからさー。

夜は日本語教室の生徒ルーカス君のうちに招かれた。

まだ十代のルーカス君は、演歌が大好きで
毎日自宅のカラオケでそののどに磨きをかけている。
十代のブラジル人が『酒よ』『北国の春』なんかを
上手に歌い上げる。ホントに上手なんだよ。

お父さんの手料理を振舞ってもらい、おまけにプレゼントもいただいてしまった。
サッカーブラジル代表のユニフォーム!
背中にはわしの名前がきれいに刺繍してあった。ありがたや。ありがたや。

釣りとユニフォーム。

ポルトベーリョ最後の夜にアコースティックギターで
ルーカス君、ミサキ先生と歌も歌えてよかったよ。

釣りとユニフォーム。

もう少し長くいたいけれど
飛行機の時間が迫ってきた。

急いで空港まで送っていただくと、そこにはマリエラさん親子が待っていた。

これで出張も終了。なんだか実感がわかないな。
ポルトベーリョのみなさんホントにホントにお世話になりました。

釣りとユニフォーム。

マナウスに到着して
いつものタクシー運転手ホンソさんに来てもらった。
コンフェデレーションカップブラジル戦は3-0で日本の負け。
ホンソさんとの賭けに負けたので約束通り
ビールを3本ご馳走してあげたよ。


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