モイゼスくんが言う。
「イタコアチアラには、寿司ロックって場所があるんだ。今夜はそこへ行くよ。」
「寿司ロック?なんじゃそりゃー!」
セントロ近く通りに面したところに緑色の壁の奇妙なバーがある。
壁には漢字で「繁栄」と書かれているが
中国のサイトから持ってきたフォントなのか奇妙な字体だ。
内部にはNARUTOなどのポスターが貼ってあり
メニューにも「繁栄」と間違った漢字で書いてある。
春巻きに焼きそばに寿司などがメニューにあるが
たぶん、ダメダメな味だろう。
でもね、せっかくわれわれ日本人のために連れて来てくれたのだからねえ。
というわけで、一番無難な焼きそばを選んだ。
ブラジルで焼きそばを注文して、
日本のようなソース焼きそばが出てくることはまずない。
殆どがインスタントラーメンの麺に野菜炒めを乗せた醤油味のものだ。
ブラジル人はそれでも味が足りないらしく
ジャブジャブ醤油をかけてそれを食べる。
この店もそんな感じ。でもそれは想定内のこと。
この日の夜は、マルコスさん夫婦やその友達も加わって
一大『お箸の使い方』教室が始まった。
ベッチさん「どうやって食べたらいいのかわからないわ。」
モイゼスくん「しょうがないなあ。教えてあげるよ。」
ベッチさん「なるほど!できたわ!」
モイゼスくん「そうだろう。美味しいだろう!?」 ↓微妙に使い方がおかしい。
店内にはヘヴィーメタルがガンガンに流れている。
たぶん、ヘヴィーメタルもパワーメタルもハードロックもパワーポップも
わからんひとには全部同じに聞こえるのだろうが
(ちなみにわしはアメリカンなポップメタルやヘアメタルが好きなのだ)
ここで流れるロックは正真正銘のメタル!
ACCEPTにW.A.S.P.にBlack SabbathにSAXON、
DioにLed Zeppelinを聞きながら
アーケードの軒先でビールを飲み、寿司を食べるのだー。
(味はやはり残念な味だった)
結局お墓参りには行けなかった。
戦前、パリンチンス郊外のビラ・アマゾニアに移住した日本人たちが
その後、移り住んでここでジュート麻の栽培をおこなっていたという。
ううむ…。
時代は移り変わり、街の真ん中で
ロックを聞きながら寿司(のようなもの)を
日本の生み出したマンガパネルに囲まれて
ブラジル人の若者たちが食べている。
なんとも奇妙な光景だ。
彼らにしてみればこれが日本なんだろうな。
宴は11時半まで続いた。
SAXONの1stアルバム収録のRainbow Themeが流れる中、車に乗り込んだ。
ACCEPTのSon of a bitchにBlack SabbathのChangesなど
この店の選曲はいちいちわしのツボにはまるな。
殆ど知っている曲ばかりだったよ。
明日は10時半のバスに乗ってマナウスに戻るから
8時には起きなきゃいかん。
お休みなさい。