年末にアマゾン川ジャングルトレッキング。
1月には、アクレ州でHenriqueさんとセリンゲイロの山道を歩いた。
確実にアマゾン度がレベルアップしておる。
今回もさらにパワーアップだす。
火曜日の午前中。
近い将来日本語教師になるルイキくんに連れられて
お父さんのファゼンダを案内してもらった。
ファゼンダってのは畑だったり牧地だったりする広大な土地のこと。
ポルトベーリョの市街地からマデイラ川を船で渡る。
川の向こう岸を十数キロ進んだところにそのファゼンダはあった。
前日の大雨で道路は超ぬかるみ。凸凹道をどんどん奥深く入っていく。
牛と馬、それからめっさ人懐っこい番犬が出迎えてくれた。
ジャングルの中にそびえ立つ2階建ての巨大な建物には
使用人のおじちゃんが一人で住んでいる。
この建物はルイキくんのお父さんが一人で建てたそうだ。
ちなみにお医者さんをやっているというルイキくんのお母さんは日系の方だ。
冷たい水で喉を潤していたらルイキくんが一言。
「トシミせんせい。滝を見たいですか。」唐突だが断るのもおかしいし
「はい。」と元気に返事した。
「20分くらい歩きます。」おおお。
実はこの日のわしの格好はTシャツに短パンそしてゴム草履。
ファゼンダ見学と聞いていたし、ルイキくんも同じ格好だったからねえ。
まさかジャングルの中を歩くとは思ってなかったよ。
わしの短パンのポケットには財布と携帯。右手にデジカメ。
左手にノートと辞書ちゅうよくわからん装備でジャングルトレッキングだ。
5分後。
「せんせい。大きい木が見たいですか。」
もちろん「はい。見たいです。」と答えるわなあ。
「じゃあ、こっちへ行きます。」と道なき道をずんずん奥に入っていく。
これは途中で見つけたセミの穴。
日本のは地中でしょ。こっちは地上にあるのだ。
内気な日本のセミに、自己主張激しいブラジルのセミ。
そんなこたあないか。
軽装でジャングルの中、
蚊も蟻もムクインも怖いけどそんなん言ってられん。
枝を手で払い
草をかき分け
枯れ葉の池をじゃぶじゃぶと歩く。
どーん!
おおお!デカい!やったゾ!ルイキくん。でかした!
ところでこの木の名前は何?
「ごめん。わすれた。」このゆるさがルイキくんの魅力。
さあ、元の道に戻ろう。
まだトレッキングは始まったばかりだ。
「せんせい。これはクプアスです。せんせいはクプアスが好きですか。」
「はい。好きですよ。あとで食べましょうよ。」
「そうですね。中身を見たいですか。」
「はい。」
どーん。
いも虫―っ。
「ちょっと古かったです。」
「そうだね。」
ひーひーひー。
「せんせい。あれはマカコ(猿)の鳴き声です。」
「ほほう。」
バサバサバサ!
「鳥でした。」
「…。」
「せんせい。ここに足が見えます。タランチュラです。
外に出しますか。かわいそうだね。見たいですか。」
「いやいやいやいや。かわいそうだからいいよー。」
なんちゅうゆるゆるの会話をしながら歩を進める。
第一の滝に到着。
うーむ。落差15センチくらいかな…。
バシャバシャといい音してるんだけどね。
「もっと大きい滝を見たいですか。」
「はい。」(ここで帰るわけにはいかんだろ)
丸太の橋を渡り奥へ進むこと数十分。
(まあ、最初からわかっていたことだが20分で着くわけないのだ。)
第2の滝ポイントに到着。
さっきのより気持ち大きいかな。でも綺麗なところだったよ。
帰り道、3センチくらいのこわいアリはいるし
ハチもブンブンいってる。
さあ、帰りも丸太橋を渡ろう。
おわわわぁおおおお。
丸太橋の上で滑って、あやうく携帯・辞書・財布・デジカメともに
濁流の餌食になるところだった。こわやこわや。
以後気をつけまつ…。
もう大丈夫!
なにはともあれ無事に小屋まで戻ってきたよ。
約1時間のジャングルトレッキング終了。
そこへルイキ父登場。
ZZトップのメンバーだったのか!いや、ジェリーガルシアか。
「おとうさんです。せんせい。牛や馬にさわりたいですか。」
優しいんだよなルイキくん。
超見られてますけどー。
楽しかったファゼンダを後にして
帰りもマデイラ川を渡る。
ファゼンダのジャングルに流れる小さい川が
マデイラ川に注ぎこみ
さらにこの水がアマゾン川へと流れ込んでいく。
現在行われている橋架工事は2012年完成予定だ。
「ということは完成は2013年だね。」
「せんせい。2014年だと思います。」いいなあ、このゆるさ。
ルイキくんありがと。
この日の夜の授業。
アイアンメイデンとAC/DCが好きだという大学生のガールフレンドが描いた
アニメ風の似顔絵をニコニコしながら見せてくれたルイキくんでありました。