ブラジル最大の都市サンパウロ。
この街に来るのは4回目になる。
全てがJICAの総会のためなのでいつも自由時間がなく
ホテルとリベルダージ近辺しか知らない。(今回もJICAの総会出席が目的)
でも今回は、飛行機の到着時間の関係で半日空いたので
浜松のブラジル人学校の先生でぼくの日本語の生徒でもあったリタさんに
連絡してサンパウロ市内で会うことにした。
ところがどっこい
残念なことに急に先方の都合が悪くなったので
再会を約束しつつ予定を変更することにした。
楽しみにしていたけどしょうがない。
気持ちを入れ替え、目指す場所はただ一つ。
ブラジルロックの聖地『ガレリアドホッキ』(ロックギャラリー)だ。
西新宿のブートショップ街と
吉祥寺、下北沢の中古レコード街と
昔懐かしい原宿のテント村を
全部集めて一つのビルに集めてみました!どうぞ!みたいなビルなのだ。
この日わしは若干風邪気味だったけど
6階建てのお店のすべてを回った。これぞ、風邪場のロック馬鹿力!
怪しげなCDレコードからTシャツに缶バッジ、アクセサリーなどあるわあるわ。
超レアなブラジル盤のLPもライヴ音源にデモ音源を録音した海賊盤も
魅力的なのだが、怪しいバッタもんもいろいろある。
さすがブラジル。吾輩の辞書には肖像権という文字はない。
メタリカのベビー服。
手書きのイラスト入りTシャツは似てないのも多い。
ギターのミニチュアにはアーティストのロゴマークが入ってる。
ジョンレノンにマイケルジャクソンにキッスの人形。
手作り感満載。
大きなエースもいた。エルダーの戦士の頃のコスチュームだ。
最初に入った店で買ったのは
Blacklaceの1984年発表の1stと2ndのカップリング。
ニューヨークのバンドなのにUKを主戦場にしてたバンド。
ヴォーカル結構上手いんだけどね
ジャケがダサいんだよ。
どーん!
そしてBattle Axeの1stと2nd。こちらもジャケの悪趣味具合では負けていない。
どどーん!購買意欲マイナス200%のジャケットでしょ?
こういうバンド、高校生のときによく聴いていたのだ。
NEATレーベルにしてもMusic for nationsにしろ
面白いオムニバスから新しく無名のバンドを見つけるのが好きでね。
メタリカもラットもブラックアンドブルーもマーシフルフェイトも
シーンに登場したばかりだった。
Battle Axeを衝動買いした店で主人に
「ブラジルのバンドMADE IN BRAZILのCDはあるか?」と尋ねると
「この店はメタル専門だからないけど、4階の隅の店に多分あるぜ。行ってみな。」
って教えてくれた。
4階の店。
確かに品揃えがすごい。充実しまくりだ。
一日いたってこの店は飽きないだろうな。
店の主人は奥からごそごそ出してきた。
きえー!すごい!
MADE IN BRAZILの全アルバムが揃っているではないか。
結局ライヴアルバムと最新アルバムと2in1のCDを2枚購入。
この店は30年の歴史を誇る「ガレリアドホッキ」の中でも古い店らしく
21年前に開店したという。
ちなみにMADE IN BRAZILってのはブラジルのベテランロックバンドで
70年代はグラムスタイル
70年代後半はJUDAS PRIEST
80年代はLAメタルという
ポリシーもなんもない
ロックの流行にのってみましたーみたいなルックスのバンドなんだが
曲は意外にいいのよ。
ボーカルもブラッキーローレスみたいだしね。
この曲なんかちょっとキッスのストラッターぽくない?
ブラスがめっさチープで泣けるけど。
さてさて
わしはこれでは満足せず、バグース長谷川お薦めのSuper Heavyや
Twisted Sisterの再録Still Hungry、Under the bladeのDeluxe edition、
White LionのDVD、
Doobie Brothersのライヴなどなど大量に買ってしまった。
さて、この「ガレリアドホッキ」だが
最上階には悪の秘密結社よろしくバッタもん製造工場があるのだよ。
TシャツデザイナーはPCに向かいデザインを考える。
その横には無地のTシャツが山積みになっており
おっちゃんがプリントごっこみたいな道具でせっせとロゴマークをプリントしてる。
これがまた上手なんだわ。
隣では大量に缶バッジを作る店あり。
「ガレリアドホッキ」には
もちろんオフィシャルものもあるんだが
海賊もんも多い。
そりゃそうだ。自分の店の上に工場があるんだもんな。
このいい加減さ、いかがわしさがロックだぜ!
って思ってみたりもする。
原宿の東倫やジプシーアイ、
渋谷のラモスカにマンドレイクルートにディスクロード。
新宿レコードにキニーにUKエジソン…。
わくわくしながら
通った大学生のころのわしがそこにいるのだ。
ブートを握~りし~めた~18の日々が蘇る~。