くじ引きで「ねずみのよめいり」の大事なナレーション役に決まったのは
リンドマールさんというおじちゃんだった。
リンドマールさんはふだん、
街中を走る三輪車(観光客や資材を運ぶ)の運転手をしている。
けっして裕福な生活ではないし、
奥さんも小さい子どももいて、大変だろうに
2年間頑張って日本語の勉強を続けてきた。
ひらがなやカタカナの試験も
何回も挑戦して何回も落ちたけど
ずっと続けてきたのだ。
リンドマールさんは、いつも目が充血していて赤い。
その赤い目をちょっと潤ませながら最後の大役を果たした。
きっと日本語クラスが大好きだったんだろう。
最後の授業もデジカメでいっぱい思い出を写していたっけ。
みず紀先生、イラセマ先生と3人で行うはずの授業は
イラセマ先生が卒業証書の印刷に追われたり
突然現れるラジオのインタビューなどの応対をみず紀先生がしたりと
慌ただしかった。
それでも生徒たちは最後の授業を喜んでいたよ。
◆ホワイトボードに向かうリンドマールさん。ひらがなも上手になってきた。
◆生徒と記念撮影。その2
