いたこあちあら⑦

15日、日曜日。

ファビオラさんもエリザベッチさんも気にしてくれてる。

「今日はトシミが行きたいっていうウルブー川近くの墓地を探してみましょう!」

ありがたや。ありがたや。
車で1時間以上もあるし、そこから舟に乗らなきゃいかんので大変だ。

「でもね、まず、昼食。
わたしの友だちが家族みんなでシュハスコパーティやっているから、そこに行きましょう。
結構にぎやかで面白いわよ。」とベッチさんが言う。

セントロ近くにある一軒の家の前で車を停める。
一見何の変哲もない普通の家だが
その奥からは尋常じゃない音量の音楽が聞こえていた。

◆通りから見ると本当に普通の家。
いたこあちあら⑦

「いらっしゃーい。よく来たね。」
ここは、ベッチさんの友だちのソコッホさん夫婦の家だ。

プール付きの中庭には50人近く(いやもっといたかも…)の人たちが
思い思いの方法で楽しんでいる。
プールで泳ぐ子どもたち、焼き肉を食べるもの、
忙しそうに肉を焼き、みんなに取りわけるもの、
ビールを飲むもの、音楽に合わせて踊るもの、ブランコで揺れているもの、
到着早々洋服のままプールに飛び込むもの…と楽しみ方もさまざまだ。

いたこあちあら⑦

「トシミー。これ全部ひとつの家族なのよ。毎週パーティしてるの。」

うひゃあ。全部親戚!?
このパワーには圧倒されるな。
おそるべしブラジル。
家族愛と明るさとシュハスコと音楽と笑いと
すべてを詰め込んだ空間がそこにあった。

プールに飛び込みたいのをぐっとこらえてビールを飲む。

パーティの主役アブラオンが言う。

「今度来た時は一緒に歌おう。俺の家族の友だちのお前は俺の家族だ!」

いたこあちあら⑦

後ろ髪をひかれながらパーティ会場を後にした。
(結構、食べて飲んで笑ったんだけどね)

「さあ、ウルブー川に向かいましょう!」

わしの集めた情報によるとウルブー川の近くCuraという場所に
日本人の家族が眠る墓地があるという。
そこにいくには小舟もチャーターしていかなければいけない。
現在はだいぶ荒れ果ててしまったとも聞いた。

前日わしが蟻に噛まれた水牛のいる湿地に着くと
現地のおじちゃんが投網で魚を獲っているところだった。

おじちゃんたちの小屋の中には
頭をガンと割られたワニが死んでいた。
ついさっきお亡くなりになったらしい。

いたこあちあら⑦

そこに一台の車が通りかかった。

「おーい。ファビオラ、元気か?今から船遊びに行くけど来るかい?」

それはファビオラさんの友だちのマルコス一家だった。



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