ルイキくんは週に3~4回父親のファゼンダを手伝いに行く。
その広さはなんと300ヘクタールもあるのだ。
岸を渡ったら一本道を北上。
そのまま18キロも走り続けたらそこはもうアマゾナス州。
左にユーカリの森(炭にするらしい)そして
右に水田を見ながらしばらくいくと州の境界地点になる。
そこがルイキくんのファゼンダの入り口だ。
いくつもの鉄条網付きの扉を開けて
辿りついたファゼンダには
馬が牛が七面鳥が犇いて待っていた。
牛は餌をくれると思ったのか
一斉に近づいてきた。
一番人懐っこいのはジューニオという名の馬。
犬みたいに擦り寄ってくる。
使用人が二人住んでいるファゼンダ内の家には
一匹の白い子牛がいた。
悲しそうな顔をした
メルセデスというその牛は
親が育児放棄してしまったため
人間の手で毎日ミルクを与えなければならない。
長靴と長そでのシャツを借りていざ出発だ。
今日は洞窟にいくのだ。
「ルイキくん。どのくらい歩きますか?」
「30分です。」
この30分が当てにならない。
まず、ピアウという魚(体に3点の模様がある)が
よく獲れるという池を案内された。
ちょっとした崖を下りて
小川を越える。
しょっぱなからミサキ先生の長靴は浸水状態だ。
丸太の橋を越えて
ジャングルの中に入っていくのだ。
初めてきた時もこの丸太橋の上で滑って川に落ちそうになったが
今回もまた滑った。ひじょーに危ない。
しかしながらその橋の上でポーズを決めるチャレンジャーミサキ。
2年前とほとんど変わらない景色が懐かしい。
ミサキさんは日本でわしのBlogを読んでいたから
まさかあのBlogに登場したジャングルを歩いているなんて…と
感慨深げだった。
キノコがいっぱい生えた倒木が道を塞いでいる。
道がなかったらルイキくんが道をつくり
われわれはその後についていく。
鳥の声やマカコ(猿)の声が遠くに聞こえる。
両掌ほどの大きなモルフォチョウが優雅に
ジャングルの中を飛ぶ。
人間が何人も雨宿りできるほどのヤシの葉や
毒々しいアマゾンの花をつけた植物をかき分けて進んでいく。
イガラペ(小川)のせせらぎが聞こえてくる。
2年前に来た時はここまで来て引き返したんだった。
この先は未知の領域
目的地の洞窟まではまだまだ歩かなければならない。
坂を上り
坂を下り
湿地帯を抜け
倒木をまたぎ
草をかき分け
ひたすら歩く。
30分で到着といったが
もう軽く1時間近くジャングルの中を歩いている。
天気は幸運なことに曇り。
それでも十分に暑い。
カンカン照りだったらと思うとぞっとするし
雨にでも降られたらもっと大変だ。