「あ。着きました。」
どこに目印があるのか
われわれにはさっぱりわからないが
ルイキくんに従って側道に入る。
側道といってもただのジャングルだ。
「ここです。」
おおおお!ジャングルの中に突然ぱっくりを口を開けた
洞窟が現れた。
数メートルの崖をツタを頼りに下りて
われわれはついに洞窟の中に足を踏み入れた。
閉所恐怖症の人がいたら気絶しそうな洞窟の中を携帯電話の光と
懐中電灯の灯りを頼りに進んでいく。
漆黒の闇の中を頭をぶつけないように歩を進める。
ぎゃーっ!
ミサキ先生が叫んだ。
そう、ここはコウモリの洞窟なのだ。
ルイキくんは大学でコウモリの研究をしてきた。
その活動が評価されて今月の終わりから
仕事としてコウモリの研究のために
ロンドニア郊外のジャングルに籠るのだ。
洞窟の中は光がまるでない暗闇の世界。
フラッシュをたいて撮影しているが
奥に進むにつれ感度も悪くなるので
なかなかカメラも反応しない。
バタバタバタバタというコウモリの羽音が
洞窟内にこだまする。
おー!テンションあがるな!
まるでオジーオズボーンのスピークオブザデビルツアーの
レーザーショーみたいじゃないか!(わかりにくくてすんません)
日本で洞窟、風穴、氷穴というと
ひんやりしたイメージがあるが
アマゾンの洞窟はそうでもない。
暗闇の中でひんやりした風が吹いたと思ったら
それはすぐ近くをコウモリが飛んでいる証拠だ。
そして独特の糞の臭いが洞窟中に立ちこめている。
ルイキくんがいうには
この種のコウモリはジャングルのフルーツを食べているから
吸血コウモリのような怖い種類じゃないとのこと。
この時点でかなりの量のコウモリに遭遇している我々だが
ルイキくんはさらに奥に連れていってくれた。
「もっとたくさんいます。」
直径10メートルほどの円形の洞窟の天井には
コウモリがびっしりと張りついていた。
ミサキ先生はすでに戦意喪失。
コウモリは、かなーり苦手らしい。
