Toshimin's waz'up?　-としみんのBLOG-

今年最後の出張はアマゾナス州のパリンチンスだ。

今回の予定は、
火曜日の夜にマナウスを出発し
水曜日と木曜日の授業に参加、
金曜日の修了式に出席するというもの。

半年間通った生徒たちの集大成になる修了式では
劇にガイドブックに紙芝居と趣向を凝らした発表も行われる。
この数カ月、イラセマ先生とエリコ先生は
それに向けて頑張ってきたのだ。

飛行機は、いつものように1時間遅れてマナウス空港を出発した。

わしの隣には神経質そうなおばちゃんが座り
アレルギー気味の鼻をぐじゅぐじゅやり始めた。
わしは、熊野神社を舞台にした小説を読み始めた。
パリンチンスへの旅は1時間程度で終わる。

待ち時間は長いのだが、
実際に飛行機に乗っている時間はそんなでもない。
その短い時間にジュースと軽食のサービスがある。
いつものようにオレンジジュースと
とても食べられたもんじゃない軽食セットのチーズだけを口にする。
それから少し仮眠するか、小説を読み進めるか、
だいたいいつもこのパターンだ。
隣の乗客のノリがよければ、お喋りしてるうちに着いてしまう。

ところがこの日はちょっと違った。
あと５分ほどで目的地パリンチンスのジュリオベレン空港に到着というところで
飛行機の高度がガクンと落ちたのだった。
「乗客のみなさん…」と言ったまま
アナウンスを入れる余裕もないほどその後も飛行機は揺れ始めた。

ちなみにパリンチンス出張はいつもATR42というプロペラ機である。



たぶん乱気流に入ったか、暴風雨の中を飛ぶことになったのだろう。
毎月、飛行機でアマゾンの上空を飛び回っているが
今回ほど恐怖を味わったことはなかった。
隣のおばちゃんは（わしよりはるかに若いんだろうが…）
物凄い勢いで神様への祈りの言葉を唱え始めた。
これが怖さをあおるんだな。

わしゃ、とりあえずシートの肘掛けを握り続けたよ。
飛行機のタイヤが地面に着くまでずっとだ。
着陸態勢に入った時、やはり天気がとても悪いことがわかった。


着いたー。


いや、何事もなくてよかったよ。
でも、ちょっとトラウマになるかもしらん。

無事着陸した後、ホテルまでの相乗りタクシーの中でも
大学教授のジョゼイさんと
どんなに怖かったかを競うようにタクシーの運転手に説明した。

いつも泊まっているホテルのオーナーは、
また替わってしまったようだが
夜の番をするおじちゃんは相変わらずだ。
今回も予約もしないで夜中のパリンチンスまでやってきてしまった。
どうにかなるのがブラジルでそういうところにだけ慣れてきてる自分がいる。

通りに面した鍵のかかった門から中を覗くと
おじちゃんはいつものようにガラス扉の向こうの
ソファーの上でねてる。
口笛吹いて、手を叩いて、声をあげて呼ぶが起きない。
見かねたタクシーの運転手が
小石を拾ってきてガラスに向かって投げた。

コーンッ！

大成功。

おじちゃんが
「おー、トシミー。」って起きてきて
無事にチェックイン終了。

明日の朝は早いぞ。