授業が終わり、教室の片づけをしたり
フェルナンド校長やイラセマ先生と話をしていたら
お掃除をしたりお茶を入れたりしてくれるドナグラッサが一言。
「凄―い雨が降るからすぐに帰ったほうがいいよ。凄い雨だよ。」
ぼくは内心「ああ、おばちゃんは早く家に帰りたいんだな。」と
意地悪な考えをしてしまった。
イラセマとフェルナンド校長はバイク。ぼくは自転車。
フェルナンド校長にいたっては、
恋人と恋人の連れ子二人を乗せてスクーター4人乗りで帰って行った。
ぼくは、途中でサンドイッチでも買おうと思いながら
ホテルに向かってペダルをこいだ。
突然、強い風が吹き始めて
道路のごみやいろんなものが飛ばされていく。
教会の横にある大きなビニールの看板は
「バン!」という鋭い音とともに吹っ飛んだ。
気がつくと通りには誰もいない。
帰り道にあったのは犬2匹だけ。
そのうち、大粒の雨が降ってきた。
おばちゃん大当たり!なんでわかったんだろ?
風の強さとか、温度の微妙な変化とかかな。
パリンチンス市民はみんなわかるのかねえ。
おばちゃんごめん。しっかり帰れたのだろーか。心配だ。
いつも優しいドナグラッサは教室までコーヒーを運んでくれるのだよ。