インディオの村訪問。⑤

ボリビアとの国境の街グアヤラミリンへ続く国道を走る。
発電所からの高圧電線の鉄塔が顔を出す。
それを過ぎたら、平和でのどかな牧場の風景がどこまでも続く。

インディオの村訪問。⑤

今回の旅にはドイツ人のダニエラさんも同行した。
アンテノールさんとともに現れた白人女性だ。
彼女は、アフリカ、インド、中国などの貧困地域をまわって
レポートを書いているという。
今回は完全にプライベートな一人旅だ。

アスファルトの道を1時間近く走り
牧場の中の赤土の道に入る。

インディオの村訪問。⑤

「ここだけじゃない。
30メートル先に新しい部落の入り口があるよ。」とアンテノールさん。
とてつもなく広大なジャングルが居住地域だから、部族が移動することもあるらしい。
ちなみにロンドニア州だけで日本の本州ほどの大きさがあるのだ。

美人女性といっしょでご機嫌のアンテノールさんは、今日はいつになく饒舌だ。

「日本では金ぴかの寺に行ったよ。(金閣寺のこと)あれは凄かったね。」
「ほら、あそこに見える建物。あれは刑務所だよ。すごく悪いやつらがいるんだ。」
「日本人てのは凄く熱いプールに入るんだ。(風呂のこと)信じられないよ。」
「フォルタレーザには、ユウタハラグという日本人がいて知り合いなんだ。」

ジャングルの入り口でアンテノールさんが言った。
「白人たち(非原住民)に、でかい木はみんな取られちゃったよ。」
かつて、この土地はマホガニーやセレジェイラなど
高級木材の不法伐採者の餌食になった場所だった。
確かにこのジャングルの入り口付近には大木は見当たらない。

赤土の道を三菱の4WDが奥へ奥へと進む。

インディオの村訪問。⑤

両側にそびえる緑のジャングルに赤土の道。
その水たまりに赤と白のムルクンの花が落ちている。
なんとも幻想的な風景だ。
トカゲが道路を横切り、紫や黄色の蝶が舞う。

しばらく行くと
『ここから先許可なく立ち入り禁止』の看板が見えた。
われわれは、FUNAI発行の許可証を持っていないのだが
インディオの代表といっしょなので入ることが許されたのだった。

雨によって落ちてしまった橋を迂回すること2回。
赤土でできた道の下を土管が通してある場所もあるが
何か所かは崩れ落ちてしまって通行不可能になっていた。
それを迂回するためにジャングルの中の細い道に入っていく。

側道には新しい芽が出ている。
ジャングルの中、人間の手によって整地された赤土の道が続く。
その側道に顔を出した芽は、
現代社会の侵入を食い止めるかのごとくしぶとく力強い。

数年前まではこの道もなかったので
部落までは2~3日かけて、
ジャングルの中を進まなければならなかったという。

ポルトベーリョ市街地を出発して1時間40分。
右手に黒い枯れ木が並ぶ変わった風景が目に飛び込んできた。
数年前に山火事で焼け野原になった森の姿だ。

遠くに藁で葺いた独特の形をした民家が見えてきた。
ついに部落に到着したのだ。

インディオの村訪問。⑤



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