ホザー二さんの家に入ると
入ってすぐの部屋で子どもたちが
ボロボロの写真カードを使って神経衰弱の真っ最中だった。
この家こそ以前モイゼスくんの一家が住んでいた家なのだという。
ちょっと汗臭いハンモックが二つ、入ってすぐ左の部屋にかかっている。
ガラスのない窓からは対岸のサン・ガブリエル・ダ・カショエイラの浜辺が見える。
キッチンの横がトイレとシャワー室。
トイレは自分で水を汲んで流さなければいけない。
廊下の反対側が書庫。
奥の二つの部屋が寝室だ。
ホザーニさんはサン・ガブリエル・ダ・カショエイラの自宅と
このインディオ・ドウの自宅を往復して生活している。
隣の小屋で
部落の人たちとの会議が始まったようだ。
わしは神経衰弱に参加させてもらった。
ボロボロのカードに桃やリンゴ、馬に鳥など動物や植物の写真が印刷されている。
手垢でもう真っ黒になっているカードを
すごい記憶力でどんどん引いていく子もいる。
静かに壁にもたれて絵本を読んでいる子もいる。
この日ホザーニさんの家に集まった子どもたちは7~8人。
ポルトガル語も記憶力も劣るわしを見かねて
自分のとったカードを沢山渡してくれる男の子もいる。
なんて優しいんだ。
何回か神経衰弱をしたあと
3人の男の子たちが部落の中を案内してくれるというのでついていった。
先頭は9歳のマルコスと8歳のナタン、13歳のエンリケがそれに続く。
いくつかある小屋の脇の道を丘の上に向かって登ると
そこにはサッカーコートがあった。
ゴールは木でできた四角い手作りの枠。
「ここでサッカーをやるんだよ。」と自慢そうだ。
子どもたちは藪の中に入っていく。
「イガラぺがあるんだ。」イガラぺというのは小川のこと。
到着するや否や近くにあった木の大きな葉っぱで
マルコスがあっという間にコップを作り、川の水を飲んでみせた。
部落紹介はまだまだ続く。
「これがレモンの木でこれがマラクジャの木。あれはグイヤバ。
トゥクマンの木にはとげがあるよ、気をつけて。」
何軒かの家も案内してもらい部落見学は終わった。
◆神経衰弱。ポルトガル語とインディオ語が混ざって神経が衰弱する。
◆ホザーニさんと3人で。
◆子どもたちに案内されてジャングルへ向かう。
◆コカインの原料。コカの葉。
