『浜辺のバーでライヴ』

浜辺には何軒かのお店が並んでいる。
この数日間毎日通った「アサイーあります」のお店。
その隣がタトゥー自慢のコロンビア料理のバー。
さらにその隣にも店がある。
今まで行ったことがなかったんだが
雨宿りしながらそこを通り過ぎてビックリした。

大きなカメを2匹まるごと網焼きにしていたのだ。
今までアマゾンでは、
ワニ、ピラニア、エイ、パッカ(野ネズミ)の他
カメの肉もカメの血の料理も食べたわしだが
網焼きはさすがに衝撃的だった。

通りの向こうにあるのがKUKAという店だ。
ダルシー兄弟がすでにスタンバイ。
時刻は9時半を回っているのにまだライヴはスタートしていないようだった。

外は酷い大雨だが
少しずつお客さんたちが集まってきた。
屋根はあるもののステージは外だ。
雨の音もバックにつけてダルシー兄弟がブラジル音楽を歌う。
伝説のバンド「レジョアオ・ウルバーナ」の曲はさすがに人気がある。
ダルシーはマナウス出身。
活動場所をこのサン・ガブリエル・ダ・カショエイラに移してもう数年になる。

数曲演奏した後にステージから声がかかる。
「友だちを紹介するぜ。日本からきたんだ。」
そしてライヴがはじまった。

お客さんのひとりが誕生日だというのでバースデイソングを歌う。
ジャパニングリッシュで
「はっぴばーすでーとうーゆー」と歌うのも味気ない。
そこでマナウスの日本語教室の教科書にも載っているバージョンで歌った。
かなーり幼稚な歌詞なんだけどこっちの方が喜ぶだろう。
「うれしいな 今日は
 たのしいな 今日は
 たんじょうび おめでとう
 おうたをうたいましょう」
わしもこんな歌詞があるのをブラジルに来て初めて知ったよ。
外国語はかっこよく聞こえるのか、本人は大喜びだった。

「本当に素晴らしいわ。
お洒落よ。最高にイカシテいるわ。」
こういうときの大袈裟なブラジル人のノリは大好きだ。

客席の中には
ボア・エスペランサの丘を案内してくれたサラもいる。
今夜はずいぶんとお洒落している。

ライヴは続く。
エリック・クラプトンにCCR、イーグルス。
それからブラジルでも大人気のドイツのバンドスコーピオンズが書いた
「WIND OF CHANGE」もダルシー兄弟と一緒に歌った。

客席から一人の女性が飛び入りで
パウラ・フェルナンデスの曲を歌い出した。
これが激ウマ!
ブラジル人の能力には本当に驚かされる。

日本と違って
ブラジルでは学校のカリキュラムの中に
美術の授業や音楽の授業がない。
音楽については、
幼いころから家族に連れられて行く教会での活動がその代わりになっているんだと思う。
そこには、信仰があり家族がありビートがある。
日本のようながっちり義務教育の中に組み込まれた音楽理論や
グループとしての和、一体感、統一感はないが
何よりブラジルの人たちは楽しむことの術を知っていると思うのだ。

やはり突出している人はいるもので美術、音楽、スポーツ、映画…など
ブラジル人アーティストのセンスには素晴らしいものがある。

コロンビア人の男性が手紙を書いてわしのところに持ってきてくれた。
字が汚くて何が書いてあるのやらさっぱりわからない。
酔っ払いながら何かを伝えたいらしい。
スペイン語だし呂律は回ってないしなんだが
「自分には才能がないが歌っている人を見ていると楽しいんだ。
ありがとう。ありがとう。」とか言っているのはかろうじて理解できた。
あとはまったく意味不明だったけど、そういってもらえるとありがたい。

盛り上がる会場を後に雨の中をホテルまで戻った。

いい思い出になったよ。ダルシーありがとう。

◆ダルシーが街で声をかけてくれてライヴが実現。Obrigado!
『浜辺のバーでライヴ』

◆KUKAは浜辺のお洒落なバー。
『浜辺のバーでライヴ』

◆ブラジルでの逆さ弾きは二人で。
『浜辺のバーでライヴ』

◆陽気なお客さんのおかげでずいぶん盛り上がったよ。
『浜辺のバーでライヴ』

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