公営市場はいつも通りの活気だ。
ネグロ川で獲れた魚が、
熱帯特有のフルーツが、
どうやって作ったのかおそろしいほどの辛さを誇る香辛料が、
アクセサリーや洋服とともに並ぶ。
ここでは香辛料を一瓶購入した。
フェイラを出たところで
「トシミー。」と声をかけられた。
プラスティックのカバーが外れてエンジンやら電気系統やらが
剥きだしになった汚いスクーターに乗ったデニウソンさんだった。
浜辺の大晦日ライヴでバンドに話を通してくれた地元のDJだ。
「今夜、ぼくの番組に生出演して歌を歌ってくれないか。
コロンビアやベネズエラにも流れているんだぜ。
午後7時から11時までの放送なんだけど、いつ来てもOK。
ラジオ局の場所はわかるかい?」
「その道を上った丘の上でしょ。
昼間は子どもたちがいっぱい集まって凧上げやってるところだよね。」
「わはは。危ないんだよな。よく知ってるねえ、その通りだよ。
じゃあ待っているからね。」
またひとつ予定ができた。
FOIRN(ネグロ川インディオ協会連盟)が管理している
インディオの民芸品を扱う場所がWARIROだ。
陶器、籠、人形、アクセサリーなどが展示・販売されている。
熱帯の植物で葺いた屋根が印象的なこの建物は
内部も現代的でとても清潔だ。
正月休みでずっと閉館状態だったが、やっと1月4日に開館。
なんとか間に合った。
ここではセルジッぺ州(ブラジルで一番小さい州。州都はアラカジュ)で
美術の先生をしているリンダマールさんと
知り合いになった。
同行している男性を紹介してくれた。
「彼はマルジィニョっていってヤノマミ族なの。絵を描くのよ。
ほらこの本にも載っているでしょ。
わたしが着けてるこのビーズのミサンガはヤノマミ族の知り合いに作ってもらったのよ」
WARIROの職員も
「UEAって大学の入り口にヤノマミ族が集まるコミュニティがあるんだ。
そこに行ったら彼女がしているようなビーズのアクセサリーも
手に入れることができるかもしれないよ。」
と言ってメモに住所を書いて渡してくれた。
WARIROでは籠、アクセサリー、椅子などを購入した。
ホテルに一旦戻るのも面倒なので
大量購入した民芸品の入った段ボール箱を抱えながら
乗合タクシーに乗ってヤノマミ族のコミュニティーを目指した。
◆WARIROには楽器や壺、椅子などの他数々の民芸品が並ぶ。質もよい。
◆今回の旅行に持ち込んだ書籍。どれも面白かった。
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