６月２０日
朝ごはんは、二十日大根三昧
昼ごはんは、カレー＆パパイヤ
ブラジル国内はもとより
地球の反対側日本でも大きく報道されたのが
国民によるデモ活動だ。
この日はマナウスでも大規模なデモがあるという情報を入手した。
JICAからも危険だから絶対に参加してはいけない！
観に行ってもいけない！と事前連絡が入っていた。
デモ当日は市内の企業も２時過ぎに終わってしまっていた。
午後３時頃には、セントロのメインストリートである
エドゥアルドヒベイロには人の頭しか見えないほどの群衆が集まっている。
彼らの顔は思い思いのデザインでペイントされたり
マスクで隠されたりしている。
もちろんそのまま素顔をさらして歩くものもいる。
大きな紙に自分の要求を書いてアピールする人たち。
「ワールドカップに金使うなー。」
「教師や教授の給料をもっと上げろー。」
「バスの値段を下げろー。」
「日本にサッカー教えてあげる代わりに躾を教えてもらえー。」
「ファロッファの値段を下げろー。」
「医療システムを見直せー。」
「PEC３７法案を撤廃せよー。」
「Hの入場料を下げろー。」
などなど。もうなんでもよし。
詳しくはこちらをどーぞ！
http://manauseassim.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html
まあ、たしかにわかるものもある。
ブラジルの政治家の汚職がひどいってのもわかる。
でもなあ、なんだかなあ。
今回のこの暴動は、中間層によるもので
切羽詰まってない感もある。
プラカードの文句ひとつとっても
非常にシリアスな内容のものから
ファロッファ（マンジョーカ芋の粉末１ｋｇ２００円くらいだったりする）の値下げ要求から
H（マナウスのストリップクラブ）の入場料値下げ要求までむちゃくちゃ。
ブラジル人特有のジョークということになるんだろうけどね。
デモ行進は、午後３時頃セントロをスタートして
封鎖された道路をひたすら歩きまくる。
デモ行進を通りの外から観ている人がいると
「通りへ来い！通りへ来い！」とコールが始まる。
別にこれは強制するものではなく、威圧するものでもない。
「そんなんところで見てないで参加しろよ！」みたいな感じ。
そのうち、何かのきっかけで
（それは下手なラッパの演奏でもいいし、アカペラでもいい）
ブラジルの国歌が始まる。
これをみんなで大合唱するのだ。結構長いんだな。
頭上に報道関係のヘリコプターが現れたら
うわー！っと大声を出して手を振る。
デモ行進のひとの群れに合わせて
スピーカーを満載した自動車がゆっくり走る。
そこから聞こえてくるのは
伝説のロックバンド『レイジャオ・ウルバーナ』の曲。
改革をテーマにした歌が流れると
これまた、全員で合唱する。
ぱぱぱぱあーん！ぱぱぱぱーん！
スゴイ音がする。
誰かが花火に火を点けたのだ。
でかい音のする花火はブラジルでは当たり前で
贔屓のサッカーチームがゴールを決めた瞬間など
市内のあちこちで昼間っから花火が上がる。
病院の前を通り過ぎる。
患者と看護婦が金網ごしにパレードを観察している。
「通りに来い！通りに来い！」
また大コールが始まる。
ヘリコプターが飛ぶ。
「うわー！」大歓声。
一人なんだか熱くなったおじちゃんが自宅のベランダで
演説を始めたのが見える。
「通りに来い！通りに来い！」コールが
「落ちろ！落ちろ！」に代わる。悪質なジョークだな。
またブラジル国家が始まった。
ジジャマバチスタ通りを練り歩く間、これが延々と続く。
よく飽きんもんだ。
誰かが突然逆走して走り出した。
集団心理とは恐ろしいもんで
それにつられて何人かも逆走し始めた。
意味もなく何があるのかもわからずとりあえず逃げる。
逃げ遅れてゴミ袋の上に倒れる人もいる。
通りの両側には
そこかしこに武器を持った警官がスタンバっている。
と、参加した人に聞いた話はここまで。
途中でデモ行進を抜け出して家に戻ったらしい…。
この日、マナウスでは８万人から１０万人ほどの人が
デモ行進に参加したとのこと。
ブラジルでは（特にマナウスでは）これ程大規模な抗議デモは珍しい。
この日までで約１００都市、約１００万人が参加したとされる。
超富裕層はまるで問題にしていないだろうし
貧民層も直接このデモには参加していない。
夜になってバスを焼いたり、悪さを働く馬鹿ッチョも現れたりするが
『暴力なしで！』世の中を変えようっていうのが
参加したものの共通した意見だろう。
大方の意見は『やらないよりやってよかった抗議デモ！』ってことなんだが
あくまでもきっかけであって、本当によくなるまでには
まだまだ遠い道のりのような気がしたよ。
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