『のりあいでいこう』

今日は12月29日、木曜日。

年末とはいえみんな仕事をしているわけで
ビーチで泳いでいるひとは一人もいない。

浜辺には、
木でできたステージらしきものと屋台の骨組みが並んでいる。
3人の男たちがいるのが見えた。近づいて話を聞いてみよう。

「すいません。この舞台はいったい何なんですか?」

「これかい。年末年始を祝うイベントが行われるんだよ。
花火もバンバンあがってさあ、リオデジャネイロよりすごいんだぜ。
イヴェッチ・サンガーロがそのステージで歌うんだ。」

「ははは。どうせ地元のイベッチ・サンガーロでしょ。」

「そのとおり。」

でもなんだか面白そうなので、年末年始はこの浜辺で過ごすことにした。
話をしてくれたひとはファビオさんといって市の建設課の課長だった。

そして、そして
話の流れで、前夜祭らしき金曜の夜(30日)に
わしはこの舞台で歌うことになった。

大晦日はともかく前夜祭で歌えればいいや!
「明日の夜7時にここにおいで」とファビオ氏は言った。
まあ、こういうこともあろうと
TAKAMINEくん(わしのアコースティックギター)は
いつも用意してあるのだ。「そなえよつねに、旅行のお供」だ!

ファビオさんや他のおじちゃんたちから、
インディオの作る民芸品を扱った建物が市内にあることを知り
タクシーで向かうことにした。
ホテルから浜辺までは約20分間炎天下を歩いたのだが
こんなん毎日続いたらさすがに現地の人でも倒れてしまう。
凄まじい暑さなのだよ。

ウィキペディアをチェックしてみる。
サン・ガブリエル・ダ・カショエイラ市
南緯0度7分 西経67度52分
もうほとんど赤道直下なんだな。

この灼熱の街には面白いタクシーのシステムがある。
LOTAÇÃOと書かれた乗合タクシーは、
市街地ならばどこからどこまで行っても2ヘアイス(約100円)で
街中をブンブン走っている。
100円払えば市内の至る所どこにでもあっという間に行ける仕組みだ。
しかし、乗合タクシーだからだれが乗っているかも
だれが乗ってくるかもわからない。

1年365日毎日あいのり。一生あいのり。

タクシーの行先も乗せた客によって順番が変わってくることなんて当たり前。
「こっちのひとは軍隊の近くの大学前まで行きたいみたいだから、
先にこっち行っちゃうね。」みたいな感じ。
時間だ順番だなんて、そんな小さいこといちいち気にしてられんのよね。

乗合タクシーで向かった食堂街の裏手の
小高い丘の上にある民芸品館は残念ながら休みだった。
しょうがない。また日を改めて行くことにしよう。

予定を急きょ変更してタクシーの運転手に告げた。
「韓国人の牧師キムさんの教会に行ってもらえますか。」
「OK。」
タクシーは街を外れた山の中に入っていった。

◆地図を見ると赤道近くにこの街が位置していることがよくわかる。
『のりあいでいこう』

◆乗合タクシーは一律2ヘアイス。こんなに綺麗なタクシーは珍しい。ほとんどボロボロ。
『のりあいでいこう』

◆浜辺でネグロ川に入ってみる。ひんやりと冷たくて気持ちいい。
『のりあいでいこう』

◆浜辺にステージを発見。驚いたことに電柱まで立てていた。
『のりあいでいこう』


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