インターネットカフェで声をかけてくれたのは
マナウスからの高速艇に乗っていた女性だった。
一緒にいるもう一人の女性はお姉さんとのこと。
お姉さんのほうは市役所で働いていて
彼女のほうは学校の先生なんだと。
「わたしたちもインディオなのよ。セントロから少し離れた所に住んでるの。」
オジレイニ姉妹はタリアーノ族というインディオだという。
他にもトゥッカーノ族、イエンガトゥ族、バニーワ族など
23部族がこの街に住んでいる。
言葉も全部違う。
例えば
「お元気ですか?」は
トゥッカーノ族の言葉で「アイニュン?」
イエンガトゥ族の言葉で「プーランガ?」
バニーワ族の言葉で「マティアー?」だ。
絶対覚えられん…。
わたしたちインディオですって言われても
もう、全然驚かなくなってきた。99%がインディオの街なんだもんね。
インディオじゃない人に会う方が難しいんじゃん。
「あなたたちのコミュニティにいくことはできますか?」
「残念ながら許可証がないと駄目なのよね。」
やはり、そんなに簡単にはいかんよなあ。
待てよ。
散歩したときに気がついたんだが
教会の丘の近くに
FUNAI(ブラジル政府の国立先住民保護財団)があったな。
そこに行ってみるか。許可証がとれるかもしれんぞ。
まるで閃いた時の一休さんの心境だ。
乗合タクシーでFUNAIに行くとドミンゴス氏という男性が言った。
「書類作ろう。明日の朝8時にまたおいで。」
本当にうまくいくんかな?
まあ、行ってみないとわからないしね。
再びセントロに戻り、
街角の屋台で売っている串焼き肉を頬張り
夕陽が沈むのを待つ。
ホテルのフロントのお姉ちゃんに教えてもらった絶景ポイントで
待つこと約1時間。残念ながら曇り空で夕陽は拝めなかった。
とりあえず夕食を食べよう。
町外れの食堂街のさらに外にある店
「Bar e Restaurante M.M」はタクシーの運転手も絶賛していた店だ。
細くて黒くて背が高くて
めっさかっこいいおばちゃんマルレーニさんがメニューを教えてくれた。
頼んだのは鶏肉の窯焼きポテト添え。10ヘアイス(500円)。
これがまたびっくりするほど美味かった。
隣のテーブルの男性が話しかけてくる。
「俺は、客なんだけどさ、他のお客さんにビール運んだりもしちゃうのよ。
日本人かい?いつか日本に行くのが俺の夢なんだよな。」
彼はリオデジャネイロとサン・ガブリエル・ダ・カショエイラを往復して
仕事をしているのだそうだ。
安く購入した中古家電を修理して売りさばくのが仕事らしい。
午後8時にホテルに戻り、
日記を書き始めた。明日はどんな一日になるんだろう。興奮して眠れなくなった。
◆オジレイニ姉妹。同じ高速艇でマナウスからやってきた。
◆FUNAIはブラジル政府の国立先住民保護財団。マナウスの日伯近くにもある。
◆アマゾナス州を転々としているというこのおじちゃんの店の串焼肉は美味い!
◆ピメンタ(唐辛子)のソースとファリーニャ(マンジョーカ芋の粉)をつけて食べる。一本75円。
